747終了は軽微な話? 危ぶまれる「名戦闘機のふる里」 岐路に立つボーイング

「ファントム」「イーグル」も誕生 いま、岐路に立つ「名戦闘機のふる里」

 ボーイング社のセントルイス工場は、同社軍事部門の一大生産拠点です。1997(平成9)年にボーイング社が吸収合併したマクダネル・ダグラス社がかつて本拠を置いた場所であり、航空自衛隊も導入したF-4「ファントムII」やF-15「イーグル」を生むなど、アメリカ製戦闘機の生まれ故郷でもありました。

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初飛行から40年が経過するも、いまだ生産が続くF-15。写真は新鋭型のF-15SA「アドバンスドイーグル」(写真出典:ボーイング)。

 ところが近年、ボーイング社はアメリカの主導で進められた新型機計画「統合打撃戦闘機計画(JSF)」において、ロッキード・マーチン社のX-35(現在のF-35)に敗北。また、航空自衛隊の次期主力戦闘機選定ではF/A-18E/F「スーパーホーネット」を売り込むも、F-35に負け実現ならず。同様に、韓国空軍の次期主力戦闘機選定でも、F-15SE「サイレントイーグル」がF-35に負けて脱落するなど、立て続けに大口の受注を逃す結果になってしまいました。

 ボーイング社がこのままそれらの新規受注を得られなかった場合、F/A-18E/Fはアメリカ海軍向けの引き渡しが完了する2018年に、またF-15はサウジアラビア空軍向けの「アドバンスドイーグル」が2019年に生産を終了。名戦闘機を生み出してきたセントルイス工場で、その「仕事」が無くなってしまう恐れがあります。

 一方、カタールがF-15(36機)、クウェートがF/A-18E/F(24機)を導入する計画が存在し、アメリカ政府の承認待ちであるという報道もあることから、今後、さらに生産数を伸ばす可能性も十分に考えられます。ただいずれにせよ、厳しい現状はこの先も続く見込みです。

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コメント

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4件のコメント

  1. 無くなったって、どうでも良いだろう。
    日本でも戦闘機くらい作れるようになれば良いだけだしな。

    むしろ、日本が米国に売りつけてやればよい。

  2. むしろ戦闘機部門が活況を呈していて生産が追い付かない情勢を余り想像したくないんだが、、、

  3. 中型機が747を追いやったとあるが、双発機が4発機を駆逐したと書くべきでは? 777やA330は双発大型機だと思うし、中型機だと787あたりかと。ETOPSまで触れる必要はないでしょうけど。A380とか「超大型機」でしょ。

  4. 戦闘機などの生産に関わらないとその国、または、企業にとって製造技術の継承や最新技術の取得が難しくなる。日本においてF-2の生産が既に終了し、F-35の国産部品による組み立てもアメリカの都合でできないでいる。政府は、アメリカに対し契約の履行を促し日本企業の技術の維持向上を図ってほしい。