747終了は軽微な話? 危ぶまれる「名戦闘機のふる里」 岐路に立つボーイング

ボーイング社が747型機「ジャンボ」について、生産終了の検討をしていることが明らかになりました。しかしいま、同社で大きな岐路に立っているのは別の部分かもしれません。「ファントム」「イーグル」といった名戦闘機の「ふる里」がいま厳しい状況を迎えており、マクダネル・ダグラス社の歴史も引き継ぐその「伝統のともしび」が絶えてしまう可能性も考えられます。

ボーイング、負けられぬ「T-X」 空自F-2の後継機開発も狙う?

 まもなく、アメリカ空軍の練習機T-38「タロン」の後継機選定「T-X」が行われますが、ボーイング社はスウェーデンのサーブ社と共同でこれに参画。サーブ「グリペン」戦闘機に近い機体を共同開発すると見込まれます。

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サーブ社の戦闘機「グリペン」。「グリペン」は「グリフォン」(有翼獅子)を意味(写真出典:Stefan Kalm/(C)Saab AB)。

 もしサーブとの共同開発機が「T-X」の勝者となれば、少なくとも350機の受注をセントルイス工場へもたらします。また本機を輸出するという選択肢も生まれるため、ボーイング社にとって「T-X」は“絶対に負けることのできない戦い”になるでしょう。

 ボーイング社はF/A-18E/Fの後継機を狙う「F/A-XX」なる将来型戦闘機のコンセプトをプレスリリースしており、また2016年7月15日(金)には、航空自衛隊F-2戦闘機の後継機共同開発に興味を示していると、日本経済新聞が報道しました。

 しかし、これら戦闘機の実用化は2040年ごろになる見込みです。それまでボーイング社は、名戦闘機を生んできたセントルイス工場において、戦闘機の生産ノウハウを継承しつづけることができるのでしょうか。今年、創立100周年を迎えたボーイング社と、その軍事部門。いま、大きな岐路に立とうとしています。

【了】

Writer:

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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コメント

4件のコメント

  1. 無くなったって、どうでも良いだろう。

    日本でも戦闘機くらい作れるようになれば良いだけだしな。

    むしろ、日本が米国に売りつけてやればよい。

  2. むしろ戦闘機部門が活況を呈していて生産が追い付かない情勢を余り想像したくないんだが、、、

  3. 中型機が747を追いやったとあるが、双発機が4発機を駆逐したと書くべきでは? 777やA330は双発大型機だと思うし、中型機だと787あたりかと。ETOPSまで触れる必要はないでしょうけど。A380とか「超大型機」でしょ。

  4. 戦闘機などの生産に関わらないとその国、または、企業にとって製造技術の継承や最新技術の取得が難しくなる。日本においてF-2の生産が既に終了し、F-35の国産部品による組み立てもアメリカの都合でできないでいる。政府は、アメリカに対し契約の履行を促し日本企業の技術の維持向上を図ってほしい。

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