【乗りもの豆知識】「やむを得ず」半年間休業した私鉄のターミナル駅

戦争でもないのに、半年間休業していた私鉄のターミナル駅があることをご存じでしょうか。そこには“やむを得ない”理由がありました。

京成成田駅よりも開業が遅い京成上野駅

 日々多くの列車が発着し、百貨店なども併設されることも多く、まさに各社の顔ともいえる大手私鉄各社のターミナル駅。しかし、京成電鉄のターミナル駅である京成上野駅(東京都台東区)が、半年間休業していたことがあるのをご存じでしょうか。

 上野公園駅(現、京成上野駅)の開業は、当時の終点である京成成田駅よりも遅い1933(昭和8)年でした。元々は、すでに開業していた千葉方面と押上を結ぶ路線を浅草や上野へ延伸する計画があったのですが、これが頓挫するなどして、青砥から千住などを経由して上野に至る分岐線を新たに建設したのです。

 上野公園駅は開業当初から地下駅でした。ホームの長さは4両分。京成電鉄はこの駅を戦後もしばらく使用し、6両編成に対応させる工事も行いました(「京成上野」へは1953年に改称)。しかし成田空港の開港が決まり、京成線で空港特急の運転が計画される段階になると、いよいよ駅の設備が追い付かない段階に。京成電鉄は京成上野駅の改良工事を行うことを決定します。

Large 20160807 01
10両編成の“空港特急”が描かれた「京成上野駅改良工事のご案内」(画像出典:京成電鉄)。

 工事は、京成電鉄が当時発行した「京成上野駅改良工事のご案内」によると、元々ホームなどに使用していた地下1階を駐車場とコンコースに転用し、新たに地下2階に10両編成の列車4本が発着できる駅を造るという大規模なものでした。

 この工事を行うため、京成上野駅は1973(昭和48)年6月16日から12月15日まで営業を休止。すべての列車は手前の日暮里駅(東京都荒川区)で折り返しとされました。半年後、新しくなった京成上野駅が営業を再開。新設された設備を使い、現在に至るまで空港特急「スカイライナー」が運行されています。

【了】

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. 日本一の34番は、面白かったです。つぎは、夜行列車以外で、次の駅まで一番長く走っている列車を記事にしてください。私鉄も、含めてください。よろしくお願いします。

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス