自衛隊戦車の「鳥かご装甲」はドローン対処に不十分?「これで万全とは思っていない」リアルな課題とは

陸上自衛隊の大規模機甲部隊演習に対ドローン用“金網”装甲が登場。ネット上では「不十分」との声も上がっていますが…

第7師団所属の戦車・装甲車に設置

 北海道の防衛を担当する陸上自衛隊北部方面隊は、2026年6月3日から23日にかけて、第7師団を中心として毎年恒例となっている戦車・機械化部隊による対抗演習「AC-TESC」を実施しています。

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上面にコープケージ装甲を取り付けた赤部隊の90式戦車。遠隔操作できる小型ドローンは側面に回り込むことも可能だが…(画像:陸上自衛隊第7師団X)

 AC-TESCとは、訓練を実施する「機械化部隊戦闘訓練評価支援センター(Armored Combat Training Evaluation Support Center)」の略であり、青部隊と赤部隊に分かれ、実戦さながらの戦闘状況を再現するものです。

 陸自唯一の機甲師団である第7師団のほか、北部方面隊の師団・旅団は戦車部隊や機械化された普通科部隊が充実しており、これらが一堂に会するAC-TESCは日本でも有数の機甲戦闘訓練と言えるでしょう。

 今回のAC-TESCで特に注目したいのは、「コープケージ装甲(鳥かご装甲)」です。これは車両の上面に金網状の覆いを設置するもので、ウクライナ戦争以降、急速に普及した小型ドローン攻撃に対処するためのものです。演習では、90式戦車や89式装甲戦闘車への設置が確認されています。

 このコープケージ装甲の設置は第7師団長の発案によるもので、他の師団・旅団の車両では確認されていません。また、あくまで試験的なものであり、現場も「これでドローン対策は万全だ」とは考えていないようです。

 人間が遠隔操作するドローンは、コープケージ装甲を避けて横から接近することもできます。一方で、側面まで装甲で覆ってしまうと、車載火器や発煙弾の使用、乗員の視界などを阻害するおそれがあります。

 第7師団では、実際に車両に設置して演習を行うことでこうしたリアルな課題を発見し、今後のドローン対処戦術のアップデートに役立てる考えなのかもしれません。

【写真】コープケージ装甲の効果は? AC-TESCを現地取材

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