わずか4年で敗北宣言!「礼をつくすクルマ」として日本に進出 “良くできた外国車” だったのにナゼ?

1997年に日本へ進出したGMのサターンブランドは、値引きなしのワンプライス販売とホスピタリティ溢れるサービスを売りにしていました。しかし、話題になったものの4年で撤退。なぜサターンは日本で受け入れられなかったのでしょうか。

1990年代後半に鳴り物入りで日本へ進出

 併せてサターンの店舗では、値引きを行わないワンプライス販売を取り入れ、価格交渉に伴う不公平感を払拭したほか、納車時に担当セールススタッフ以下、店舗スタッフが全員揃って納車セレモニーを行ったり、整備時の待合室の充実を図ったりするなど、アメリカの新車ディーラーの常識を覆すようなホスピタリティの高いサービスを展開したのです。

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1997年に日本で販売されたサターンのコンパクトカー。写真は北米仕様(画像:GM)。

 これがアメリカ人ユーザーの心を掴み、口コミによってサターン販売店には大勢の人が押し寄せました。そして、ブランド立ち上げから8年後には50万台目のサターン車がラインオフし、販売は好調を見せるまでに至ります。

 サターンの立ち上げ時のラインナップは、4ドアセダンの「SL」と2ドアクーペの「SC」、そして5ドアワゴン「SW」。これら3種類の小型車で、1996年のフルモデルチェンジを機に日本市場への輸出を前提とした右ハンドル車も開発すると、翌1997年から日本での販売も開始しました。

 サターン車は、いずれもアメリカ人好みの少々アクの強いスタイリングでしたが、車体は鋼板モノコックを基本としながらも多少の変形であれば復元する樹脂製パネルを外板に採用したことが特徴です。

 販売の主力となる4ドアセダンの「SL2」のボディサイズは、全長4520mm、全幅1695mm、全高1385mmとアメリカ車にしては小さく、日本の5ナンバー枠にスッポリと収まります。搭載される排気量1.9リッターの直列4気筒DOHCエンジンは経済性と実用性を重視した設計で、組み合わされるギアボックスは4速ATと5速MT、駆動方式は全車FFを採用していました。

 なお、日本発売時のサターンの新車価格は、主力となる「SL2」が150万6000円~190万5000円、2ドアクーペの「SC2」が172万~204万5000円、5ドアワゴンの「SW2」が168万円~197万5000円と、輸入車にしてはリーズナブルな設定で、同クラスの日本車とほとんど変わらない価格で販売されています。

【もはやアメ車じゃない…】これが「サターンブランド」最後のモデルです(写真)

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