「時代遅れのビートル」から「世界のお手本ゴルフ」の会社へ VWはどうやって転身したのか?
「世界中で毎日、2000人以上が新たにゴルフに乗り始めている」といわれる、まさに“世界一の大衆車”フォルクスワーゲン・ゴルフ。初代のカクカクした形は、それまでの同社のイメージを大きく変えました。
記憶に残る初代ゴルフ乗車の思い出
ここからは、初代ゴルフに関する個人的な思い出です。1987年ごろ、筆者の姉が運転免許をとり、初めて所有したクルマが初代ゴルフでした。すでに旧型となっていた初代ゴルフはまったく価値がなく、自動車のセールスマンだった父がどこからかもらってきたとおぼしき1台でした。
「ぶつけるかもしれないし、壊れたら捨てればいい」と父が姉に言っていたような記憶があります。しかし、今となっては「なんてもったいないことを!」と思ってしまいます。やはり、ゴルフは初代のデザインがいちばん優れていると思うからです。
もちろん筆者も幾度となく助手席に乗せてもらいました。コンパクトで実に無駄のない優れたデザインであり、居住性にも不満はありませんでした。また、当時の筆者はバイクの免許しか持っていなかったにもかかわらず、「このクルマ、取り回しがすごい」と思った記憶もあります。まさしく乗り手を選ばず、デザインも素晴らしい1台でした。
クルマの運転に慣れた姉は、程なくして父に別のクルマを買ってもらい、初代ゴルフは廃車にしてしまいました。もし、今も残っていれば筆者が大切にメンテし、一生乗り続けるのに……と思うばかりです。
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。
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