安っぽい?「樹脂バンパー」を世界で初めて前後装着して衝撃を与えたクルマとは?
フランスのルノーが1972年に送り出したルノー・5は、世界初の前後樹脂製バンパーを装備したコンパクトカーとして欧州市場を席巻し、累計900万台を出荷した伝説の名車です。後のクルマにも大きな影響を与えています。
エクスプレスはルノー・カングーの前身モデルに
初代が1985年まで生産されるなか、ルノー・5の2代目が1984年に登場。初代と区別するためにシュペール5(スーパー5)と呼称されるモデルです。

初代のイメージを継承しながら、より洗練させたデザインに仕上げたのは、数多くのスーパーカーを手がけたプロダクト・デザイナー、マルチェロ・ガンディーニでした。内外装とも、よりビビッドな印象を与えたのがこの2代目ルノー・5です。
その一方、この2代目からボディ後半部分を巨大な荷室にした実用モデル、エクスプレスをラインナップ。ルノー・5の生産終了後も、このエクスプレスのみがスペイン、ブラジル、アルゼンチン、台湾などで生産され続け、後に日本でも大ヒットするルノー・カングーの前身モデルとなったことでも知られています。
このカングーも商用ユースが基本であることから、ぶつけても傷がついても目立たない黒の樹脂製バンパーが多用されています。いまでは、樹脂製バンパーといえば貨物車や廉価グレードといったイメージもあるでしょう。
しかし、カングーの最新モデルは日本向けに、本国の乗用仕様にない樹脂製バンパーを装着して“ギア感”を演出し、実用イメージをオシャレな表現にしたのです。その源はルノー・5にあると言っていいでしょう。
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