日本のジープ人気の立役者! SUVブームで爆売れの「使いやすいアメ車」しかも格安「トランプ大統領、こういうのが欲しいんです」

円高を背景にした1990年代の輸入車ブームは、戦略的価格を打ち出したジープ「チェロキー」のエントリーグレード追加から始まりました。同車は日本で大ヒットし、現代まで続くジープ人気の立役者となったのです。

90年代のRVブーム+ホンダ系ディーラーでの販売で一躍人気に

 もともと「チェロキー」の右ハンドル車は、北米で郵便配達車として生産されていました。理由は、右側通行の国々では歩道側に運転席のある右ハンドル車のほうが郵便物の配達や回収に便利だからで、そういった理由から開発・生産されていたのです。

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1980年代中頃の仏ルノー社の販売ラインナップで、その中に「チェロキー」の姿もある。フランスではルノーのディーラーを通じて販売された(画像:ルノー)。

 日本仕様の「チェロキー」は、その生産ラインを拡充するかたちで製造されることになりました。日本国内での右ハンドル仕様のアメリカ車は戦前のフォード車から長らく絶えており、同車が戦後初のモデルとなりました。

 さらにホンダ系列の販売店でも「チェロキー」の取り扱いが始まることが決定すると、ホンダはクライスラー本社に技術者を派遣して技術指導を行い、製品のクオリティアップを図ります。

 その結果、「チェロキー」は買いやすく、より魅力を増したことで2001年のモデル終売まで好調を維持し、ロングセラーモデルとなりました。結果、このクルマのヒットが現在まで続く、日本でのジープ人気の原点となったのです。

 現在、アメリカ車が日本市場で低迷を続ける中、ジープブランドは2024年度(2024年4発~2025年3月)に9721台を販売し、ブランド別正規輸入車販売ランキングで12位につけており、唯一好調を維持しています。

 ドナルド・トランプ米大統領は、日本でアメリカ車が売れていないことを問題視して批判を続けています。しかし、アメリカ車だから日本で売れないのではなく、日本人のニーズに合致したクルマを販売すれば、アメリカ車でもヒットを飛ばすことは、「チェロキー」の成功によって証明されているのは間違いありません。

【今なら人気出そう!】これが日本未発売のジープ「チェロキー」です(写真)

Writer:

「自動車やクルマを中心にした乗り物系ライター。愛車は1967年型アルファロメオ1300GTジュニア、2010年型フィアット500PINK!、モト・グッツィV11スポーツ、ヤマハ・グランドマジェスティ250、スズキGN125H、ホンダ・スーパーカブ110「天気の子」。著書は「萌えだらけの車選び」「最強! 連合艦隊オールスターズ」「『世界の銃』完全読本」ほか」に

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