東北新幹線の「アキレス腱」解消が見えてきた! 福島駅で進む“ミニ新線”建設はどこまで進んだ?

JR福島駅で、山形新幹線の上りアプローチ線の建設が進んでいます。供用開始は2026年度末の計画ですが、どこまで工事が進んでいるのでしょうか。

制約だらけの上りアプローチ線

 建設が進む上りアプローチ線ですが、厳しい制約のなかで造られています。

 福島駅付近の山形新幹線(奥羽本線)の線路は地上にありますが、東北新幹線の福島駅は高架です。上りアプローチ線は、地上で東北新幹線の高架の下をくぐりながら高度を稼ぎ、道路の西町跨線橋をまたいでから東北新幹線の上り線(11番線)と合流します。

 坂を登りつつ曲線を描く設計で、勾配は最大で37.5パーミル(1000mで37.5mの高低差)、曲線は最急で半径240mと、山岳区間や地下鉄の線路のような厳しい線形です。

 2025年7月の段階では上りアプローチ線の線路は完成し、東北新幹線の上り線と接続されています。また、新幹線の列車に電気を供給するための架線の敷設も完了しているようです。

 その一方で、信号設備などの設置工事が進行している段階で、工事中の11番線の線路を見ると信号で使用されるケーブルなどが敷設途上の段階でした。

 また、ホーム上の設備として発車案内表示器や乗車位置案内などが必要になりますが、これらは設置されておらず、手つかずの状態です。

 このほかホームには、運転士が列車を停める位置の目安とする停止位置目標を備えています。11番線のホームを観察すると、上り列車用に加えて下り列車用の停止位置目標もあり、11番線も東京方面からの下り列車が入線可能な構造になるようです。

 上りアプローチ線は、東京方面の上り「つばさ」の線路として使用される予定ですが、山形・新庄方面の下り列車のための速度制限標識も設置されています。現在の下り・上り両方の「つばさ」が発着する14番線と同様、上りアプローチ線と接続する11番線も下り・上り両方の「つばさ」が発着可能な構造になるようです。

【線路できてる!】これが現地で見た「上りアプローチ線」と11番線です(写真)

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