「これ“奈良のシカ”ですよ」ヤベエ!! 超人気オフロードバイクの“やっちゃった”秘話とは? ヤマハ「セロー」
1985年に新ジャンルのオフロードバイクとして発売されたヤマハ「セロー」。オフロードモデルの入門マシンとして知られた一方で、実は本格的なアイテムも多数装備した“ホンキ仕様”の1台でした。
「シカが違う」という大失態
ところで、ヤマハはセロー発売時に、意外なところで大失態も経験しています。それはセローのタンクにあしらわれた「カモシカ」のイラストについて。

1985年モデルには、3つに枝分かれしたツノを持つカモシカのイラストが描かれていたのですが、これが動物愛護団体から「このツノはカモシカではなく、奈良のシカのツノの形だ」と指摘されてしまったのです。結局タンクのカモシカは、後のモデルで正しい形のツノを持つ絵柄に変更されました。
予想だにしない「まさか」なミステイクだったわけですが、前期型セローの問題点といえば、強いてこの程度。バイクとしてはやはり優れたモデルでした。
熟成を重ねていったセローですが、1997年にはついにフルモデルチェンジを受けます。タンク容量は当初の8.8リッターから10リッターへとアップ。タンクの形状自体も改良し、より足付きのいいライディングポジションを実現しました。また、最新機能の採用にも次々に挑戦しました。
1997年の東京モーターショーでは、当時最先端だったナビゲーション機能付きGPSシステムを搭載したモデルが参考出品されました。また、2000年モデルにはアクセル開度を正確に点火系マップへと反映させる「スロットルポジションセンサー(TPS)」なども採用しています。
しかし、「女性やビギナーでも安心して乗れる」という誕生以来のコンセプトも大事にしたセロー。初代から親しまれた225ccエンジン搭載のモデルは、生産終了となった2004年まで進化し続けました。
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