廃棄検討の「ロシア唯一の空母」より悲惨? “あんまり過ぎる”最期を遂げた空母とは?

8年間にわたり改修作業が行われていたものの、復帰が断念される可能性が強くなったロシア海軍の空母「アドミラル・クズネツォフ」。不遇な晩年となってしまいそうですが、世界には実際に“あんまり過ぎる”最期を迎えた空母が存在します。

老朽化に苦しんだうえ、解体すらさせてもらえない事態に

 共同通信は2025年7月11日、ロシア海軍が空母「アドミラル・クズネツォフ」について改修を断念し、退役することが濃厚となったと報じました。8年前の2017年よりムルマンスクでオーバーホールと近代化改修が行われていましたが、事故や火災などのトラブルが相次ぎ、作業が停滞していました。海軍司令部は同艦の将来的な戦線復帰が困難であると判断した模様で、近く処遇を決定する見通しです。

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現役時代の空母「サンパウロ」(画像:ブラジル海軍)。

 ロシア海軍の旗艦にして唯一の空母でありながら、悲しい最期を迎える見込みとなったアドミラル・クズネツォフ。しかし、世界にはもっと”あんまり過ぎる” 末路をたどった空母も存在します。それがブラジル海軍の旧空母「サンパウロ」です。

 サンパウロは元々、フランス海軍のクレマンソー級航空母艦の2番艦「フォッシュ」として建造された空母でした。竣工したのは1963年7月で、1970~90年代には姉妹艦の「クレマンソー」とともに、フランス海軍が行った主要な軍事行動には全て参加。アメリカ海軍以外の西側空母として、現役時代は存在感を発揮していました。

 2001年、そんな「フォッシュ」をブラジル海軍が買い取り、再就役させたのが「サンパウロ」です。しかし、この時点で竣工から約38年が経過しており、再就役から3年程度はほぼ問題なく運用されていたようですが、老朽化はブラジル海軍が想像した以上に進んでいました。

 まず、2005年5月に火災事故が発生。原因は蒸気パイプラインの破損でしたが、サンパウロは事故の修理と合わせて大規模改修されることになり、約4年間、艦隊から離脱しました。ところが修理と改修が終わった2010年以降も、エンジンや推進シャフト、カタパルトなどの不具合が連続して発生します。さらには老朽化したパーツ類のスペア不足にも悩まされる事態となりました。

 これらの問題に追い打ちをかけるように、2012年には再び大規模な火災事故が発生。ブラジル海軍は2039年まで同艦を運用する計画でしたが、2017年2月に「サンパウロ」の近代化計画打ち切りと、運用終了を発表しました。

 こうして退役が決まった「サンパウロ」でしたが、問題はその処分を巡っても発生します。解体処分はトルコで行われる予定だったものの、サンパウロの船体に大量のアスベストが使用されているのが発覚。2022年8月、環境保護団体や野党から抗議されたトルコ政府は、サンパウロの入港を拒否してしまったのです。

 しかたなくブラジル本国へと引き返したサンパウロですが、なんと今度は母国ブラジルからも入港を拒否される事態に。どこにも行き場がなくなったサンパウロは、3か月ほどブラジル沖を漂流することになりました。結局、サンパウロは環境保護団体からの猛抗議のなか、2023年2月3日にブラジルの沖合350km、水深5000mの海底に沈められ、処分されました。

 振り返れば、再就役から運用終了までに、サンパウロが任務を満足にこなせていたのは最初の数年だけ。サンパウロの購入費は1200万ドル(当時のレートで約16億円)と、空母としては破格の安さでしたが、実質的な運用期間とその後の改修費などを総合して考えると、“安物買いの銭失い”となってしまった空母でした。

【え、姉妹揃って“厄介者”扱い!?】こちらも処分に難航した姉妹艦「クレマンソー」(写真で見る)

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コメント

1件のコメント

  1. >”あんまり過ぎる” 末路をたどった空母

    と言えば、日本の信濃ではないだろうか。

    当時の世界最大級の空母でありながら

    建造から沈没までの経緯を知れば誰でも

    そう思うに違いない。

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