23年ぶりの「秘境ターミナル直通快速」大盛況! 使いやすくなった「西日本屈指のローカル線」まだまだ“伸びしろ”アリ!?

広島と備中神代を結ぶJR芸備線で、2025年7月19日から、列車の増便が行われています。同線存続の可能性を探るために国の再構築協議会が行っている実証事業です。どの程度利用されているのか、初日の臨時列車に乗りました。

逆方向の新見発は、東京・新大阪からも使える

 なお、備後落合から新見方面にも、臨時列車が設定されていました。普段は6時41分の後は14時39分まで8時間も列車がありませんが、この日は12時20分発で臨時の新見行きがあり、20数人が乗り継いでいました。この臨時列車は、新見13時58分着です。広島から新見へ芸備線を完乗するには良い機会だと思います。

 さらに、途中の東城駅でこの臨時列車に接続する無料周遊バス(要予約)も運行されており、「日本百景・帝釈峡を巡る旅」も楽しめます。ただ、このプランで東城からの帰路の交通手段としては高速バスが指定されていることに、芸備線末端区間の利用しにくさも感じます。

 ちなみに、新見10時24分発備後落合行きの臨時列車も運行されています。この列車は、岡山9時13分発の特急「やくも5号」から接続、そして「やくも5号」は新幹線「のぞみ1号」から接続しています。「のぞみ1号」は東京6時00分発、新大阪8時24分発なので、広域からの芸備線訪問が可能となります。

 この臨時列車は、東城で帝釈峡方面の無料周遊バスが接続。備後落合には11時57分に到着し、12時8分発の広島行き臨時列車に乗り継ぐと、広島着15時9分という行程です。

 通常ダイヤだと、地元客以外での利用が難しい芸備線末端区間ですが、臨時列車により格段に訪れやすくなっていると感じました。ただ、広域集客という意味では、新見7時43分着の寝台特急「サンライズ出雲」(下り)と接続する臨時列車も欲しいところです。

 例えば7時50分発の快速を設定すれば、9時8分頃に備後落合に到着できます。そうすれば9時12分発の三次行き(10時29分三次着)と、9時20分発の木次線宍道行きに接続できます。備後落合で2方向への接続が成立するのは、この9時台と14時台だけです。こうした列車があれば、この地域への鉄道活用は容易になります。

 また、現行ダイヤでは備後落合発の最終列車は20時10分の新見行きですが、これが20分早い19時50分発となれば、新見21時16着となり、21時19分発の上り寝台特急「サンライズ出雲」と接続します。こうしたことも検討されていいのではないでしょうか。

 利用促進の社会実験臨時列車はまだ始まったばかりですが、広島方面からの観光集客に成功しているように感じました。

【写真】臨時列車の初日の様子を見る

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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コメント

1件のコメント

  1. 備後神代って?

    備中神代でしょう…