色帯すら不要!? “つるつるステンレス”になぜ戻した? 往年の東急リバイバル車に“とびきりの魔改造車”が

長年走った電車を、オリジナルの外観に戻すリバイバルはさまざまな鉄道会社で見られます。ただ、リバイバルした結果が「何もまとわない外観」となった電車も。それでいて中身はしっかり“魔改造”でした。

座席は「特急シート」でも邪魔なモノが!?

 東急時代の8000系は全てがロングシートでしたが、観光客が多く訪れる伊豆急への移籍に当たって相模湾側の客席の一部をクロスシートに変更。西武の特急形車両「ニューレッドアロー(NRA)」10000系の改装に伴い、余剰になったリクライニングシートが流用されました。

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伊豆急行の8152号車(大塚圭一郎撮影)

 ただ、座席には背もたれを倒すレバーが残されていますが、微動すらしません。座席の背面にパイプが伸びており、背もたれを倒す行為を阻止しているのです。

 車両は直通運転するJR東日本の伊東線で走れるように保安装置を追加、ワンマン運転にも対応し、1編成当たり1か所にトイレを設置するなど、大幅な改造が施されました。

 伊豆急ではJR東日本209系を譲り受けた4両編成の3000系「アロハ電車」2編成が2022年4月に運行を始めましたが、今も8000系は3両編成が14編成在籍する伊豆急の最大勢力です。国内で現役なのは伊豆急だけで、一部編成を「無ラッピング車両」にしたことで東急時代に通勤通学で利用した旅行者からは「懐かしい」との声も上がります。

8000系の中に潜む異色の"魔改造車"

 そんな伊豆急の無ラッピング車両の一つに、「8000系」を名乗りながら元東急8000系ではない異色の”魔改造車”が組み込まれています。それは、無ラッピング化の第1弾となったTA-7編成の1号車「8152号車」です。

 8152号車は、伊豆急で唯一の元東急8500系なのです。8500系は東急新玉川線(現・田園都市線)と営団地下鉄(現・東京メトロ)半蔵門線の相互直通運転向けに8000系をベースとして開発された車両で、1975年にデビュー。赤色の帯をまとった先頭デザインは洗練されており、鉄道友の会の「ローレル賞」を受けた東急唯一の車両です。

 8500系は田園都市線で2023年1月まで定期運転され、譲渡されて活躍している地方私鉄は伊豆急のほかに、長野電鉄、秩父鉄道(現・7000系)もあります。

 1976年に製造された8152号車は、もともと中間電動車だったのを制御電動車に改造した変わり種です。先頭形状は8000系に似せているものの、上部左右の尾灯は”省略”されています。

 元東急8000系を無ラッピング化したことで、東急8500系の先頭部分にあった赤色の帯も“省略”されたのです。このため登場時の正面デザインとはかなり異なり、つるつるステンレスが際立つ「のっぺり顔」に一変しました。

【中身ぜんぜん違う…!】これが「東急オリジナル銀色電車」の内部です(写真)

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