色帯すら不要!? “つるつるステンレス”になぜ戻した? 往年の東急リバイバル車に“とびきりの魔改造車”が

長年走った電車を、オリジナルの外観に戻すリバイバルはさまざまな鉄道会社で見られます。ただ、リバイバルした結果が「何もまとわない外観」となった電車も。それでいて中身はしっかり“魔改造”でした。

魔改造車が呼び覚ましたタイムマシンの記憶

 筆者が伊豆急下田駅から乗った伊豆高原行き電車がTA-7編成で運行されており、8152号車の側面の行先表示器は他の2両よりやや大きいことが分かりました。また、8152号車の先頭部の後ろにあった車側灯を撤去し、代わりに最後部に新設しているのもユニークです。

 車内レイアウトは一部をクロスシートに改造した伊豆急8000系と同じです。ただ、天井に扇風機が残る車内に足を踏み入れると、初めて東急8500系に乗車した1978年の記憶がよみがえってきました。半蔵門線が渋谷―青山一丁目間で先行開業した直後のことで、当時は全ての電車を8500系で運転していたため「営団地下鉄の路線なのに、東急の車両ばかり走っている」と驚きました。

 登場時の姿からは大きく変わった”魔改造車”でも、乗り込んだ瞬間に昔の記憶を呼び覚ましてくれる――そんなタイムマシンのような役割を果たしてくれる往年の東急のエース車両は健在でした。

【中身ぜんぜん違う…!】これが「東急オリジナル銀色電車」の内部です(写真)

Writer:

1973年、東京都生まれ。97年に国立東京外国語大学フランス語学科卒、共同通信社に入社。ニューヨーク支局特派員、ワシントン支局次長を歴任し、アメリカに通算10年間住んだ。「乗りもの」ならば国内外のあらゆるものに関心を持つ。VIA鉄道カナダの愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員。

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