デゴイチ、復活から四半世紀、人気のワケは? キーワードは「宝物」
『真田丸』に負けないドラマ?
渋川駅を発車してまもなく、「坂東太郎」こと利根川を渡り、景色が変わってきます。いよいよ関東平野が尽き、山河の風景が目を楽しませてくれるのです。
この日はあいにくの曇天でしたが、たなびくデゴイチの煙によって車窓が水墨画のようでもあり、晴れの日とはまた違った趣がありました。
さて、この「SLみなかみ」に使われている青い12系客車は、まだ国鉄の昭和50年代に製造されたもので、ボックス席が並ぶ客室は昔ながらの雰囲気が漂っています。しかし、洗面所は改装され、きれいになっていました。安心して利用できるよう、女性用のお手洗いも用意したとのこと。いま30代から40代以上の人が懐かしさを覚えるような“国鉄の雰囲気”を極力残しつつ、快適性の向上も図られている印象です。
列車は、いまNHKの大河ドラマ『真田丸』でゆかりの地として知名度が高まっている沼田駅を発車。それから10分足らずの11時44分、後関(ごかん)という特に大きくはない駅に到着しますが、このデゴイチによる「SLみなかみ」に乗車していて、後閑駅を見過ごすことはできません。D51形498号機は1972(昭和47)年に引退後、ながらくこの駅で保存されていたからです。
デゴイチ、そして後閑駅は、どんな気持ちでお互いを眺めているのでしょうか。そんなドラマが、この駅にはあります。
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