チヌークの更新でまたチヌーク!? 自衛隊向け「CH-47」新旧で何が違う?「100年乗っても大丈夫!」が“ほぼ確定”な理由
陸上自衛隊と航空自衛隊で40年にわたって使われ続けている傑作輸送ヘリコプターのCH-47J「チヌーク」に最新型が登場しました。アメリカに次ぐ「チヌーク」大国の日本ですが、ひょっとしたら30年後も使っている可能性が高いようです。
名機「チヌーク」ヘリの最新型 どこが違う?
陸上自衛隊および航空自衛隊が長年にわたり運用してきた大型輸送ヘリコプターといえば、ボーイングCH-47J「チヌーク」をおいて他にありません。

機体の前後に大型の回転翼を備えた、いわゆるタンデムローター型の独特なシルエットは、戦場のみならず災害派遣や人道支援活動といった平時の任務においても目にする機会が多く、日本に暮らす人々にとって最も馴染み深い軍用機のひとつとなっています。兵員だけでなく火砲や車両の輸送、さらには被災地における孤立住民の救出や山林火災での散水活動に至るまで、その大きな積載能力を活かして広く活動しています。
こうした優秀性から、防衛省・自衛隊は同機の増備を続けています。とはいえ現在、新規に調達しているモデルは、従来型から大きく進化を遂げた最新仕様CH-47F-2「チヌーク・ブロックII」に変わっています。
CH-47F-2ブロックIIは、アメリカ陸軍が進めていた近代化計画の成果を反映した「チヌーク」シリーズの最新型になります。見た目こそ従来モデルと大きな差異がないものの、内部には最新の航空技術が惜しみなく投入されています。
最大の特徴はエンジンの刷新で、従来のT55系列エンジンを改良型に換装することで出力と燃費効率が向上し、搭載重量や高温・高地条件下での運用余裕が拡大しています。これによって災害派遣における重量物輸送や長距離飛行においても一層の信頼性が確保されることになるでしょう。
もう1つの大きな進化は、コックピットの完全デジタル化です。アビオニクス(搭載電子機器)の刷新によりパイロットに対する操縦負荷が軽減され、複雑な飛行状況においても状況認識能力が格段に向上します。統合化されたディスプレイと自動化システムは、限られた搭乗員で効率的な任務の遂行を可能とし、特に災害現場での迅速な対応力に寄与することになります。
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