なぜ車道をつぶして歩道にするの?→「儲かる」からです! 全国で相次ぐ再整備のワケ 「高速道路廃止」も

全国で車道を縮小するなどして歩行者空間を整備する動きが相次いでいます。なぜクルマを不便にするのでしょうか。ひとつには、その方が「儲かる」からです。

「ホコ天」とは違うの?

 こうした取り組みを見ると、ウォーカブルとは単に道路からクルマを追い出すということではなく、経済効果と共に、都市に住み働く人々の「快適性」や「創造性」を醸成する狙いが見えてきます。しかし、注意も必要です。

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アメリカ、ポートランドのLRT(画像:PIXTA)

 1970年代の日本は、交通戦争と言われるほど交通事故が増え、安全対策として歩行者が増える休日に歩行者天国が各地で行われました。この時は、交通規制で道路からクルマを締め出したのですが、車道を歩く開放感から大きな賑わいも生まれた反面、騒音やごみ処理や風紀の乱れなどの課題も発生。住民が反発し、歩行者天国は次第に縮小していきました。

 このような反省から、ウォーカブルな都市づくりには合意形成と住民参画が重視されています。自分のまちを行政と協力して一緒に良くしていこうという考えです。

 滋賀県では市民団体の「やさしい交通しが」が交通まちづくりの理解を広めるなど、市民による動きも出ています。これには時間もかかります。今まで都市が追求してきた自動車中心の「効率性」から、人中心の「快適性」や「創造性」、そして人と人が繋がるコミュニティの形成へと変わっています。住みやすく働きやすい都市は、少子高齢化や労働生産性向上など社会的課題への解決策ともなり得ると考えられています。

「道路を整備したけど寂れる一方だ」と感じているのでしたら、ウォーカブルを検討する価値はありそうです。

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Writer:

1987年早大理工卒。若桜鉄道の公募社長として経営再建に取り組んだほか、近江鉄道の上下分離の推進、由利高原鉄道、定期航路 津エアポートラインに携わる。現在、日本鉄道マーケティング代表として鉄道の再生支援・講演・執筆、物流改革等を行う。

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コメント

1件のコメント

  1. 京都四条通りなんて、お手本にならんわ

    昔は路面電車があったし

    毎年祇園祭りとホコテンがあるし

    すごく特徴的な観光道路ですよ