現存1両のみ!“激レア砲塔”の「ディーガーII」修理します! 有名戦車博物館が寄付を呼びかけ
イギリスのボービントン戦車博物館は2025年9月13日、ポルシェ砲塔を搭載した「ティーガーII」重戦車のレストアに向けた寄付を呼びかけました。
初期型の通称「ポルシェ砲塔」を搭載した車両
イギリスのボービントン戦車博物館は2025年9月13日、ポルシェ砲塔を搭載した「キングタイガーV2(ティーガーII)」重戦車のレストアに向けた寄付を呼びかけました。

第二次世界大戦中、ドイツで開発されたティーガーIIの初期生産型およそ50両には、通称「ポルシェ砲塔」と呼ばれる砲塔が搭載されていました。この砲塔は、砲塔前面の防盾に曲線を多く取り入れた設計が特徴であり、後に量産された「ヘンシェル砲塔」の角ばったデザインとは大きく異なります。
ボービントン戦車博物館はこの車両について、「これは極めてユニークな車両です。現存するキングタイガー(ティーガーII)の中で最も初期の個体であり、試作砲塔がそのまま残っている唯一の戦車でもあります」と、その歴史的価値を強調し、合計100万ポンド(約2億円)の寄付を呼びかけました。
寄付者には金額に応じた特典が用意されています。
・25ポンドの寄付で「ブロンズサポート」となり「栄誉の殿堂」オンライン支援者ページに名前が掲載され、デジタル証明書が発行されます。
・「シルバーサポート(250ポンド)」寄付では、完成後の車両に寄付者の名前が掲載されるほか、博物館内の常設寄付者ボードにも名前が表示されます。
・「ゴールドサポート(1000ポンド)」寄付では、上記のすべての特典に加えて、「特別なワークショップツアー」および修復完了後のキングタイガーに乗車できる抽選への参加権が付与されます。
同博物館は、「私たちは、これまでで最も野心的な修復プロジェクトを立ち上げようとしています。その実現には、皆さん一人ひとりのご協力が必要です」と支援を呼びかけています。
なお、ティーガーIIの砲塔は、初期型を「ポルシェ砲塔」、後期型を「ヘンシェル砲塔」と呼び分けるのが一般的ですが、実際にはどちらの砲塔もクルップ社が設計したものです。
曲線が多用された初期型砲塔は、もともとポルシェ製車体に搭載する目的でクルップが設計しましたが、ポルシェ車体は最終的に不採用となりました。そのため、すでに製造されていたこれらの砲塔は、量産型として採用されたヘンシェル製車体の初期生産分に流用された、という経緯があります。
ちなみに、日本でこの「ポルシェ砲塔型ティーガーII」がプラモデル化された際、「ロイヤル・タイガー」と表記されたこともあります。
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