「“ランクル”を装甲化すればいいじゃない」そんな単純な話か? 軍事転用の“日本的な課題” 防衛省の考え次第?

防衛省が軽装甲機動車の後継として、トヨタやいすゞの民生用車両を防弾化して導入する方針だと報じられました。海外の軍では一般的に行われている民生車の転用ですが、日本では果たして“合理的”なのでしょうか。

ランクルを軍用車に

 NHKは2025年9月27日、防衛省が軽装甲機動車の後継として、民生用車両を防弾化(装甲化)した車両の導入を検討していると報じました。トヨタ自動車のSUV「ランドクルーザー」2車種と、いすゞ自動車のピックアップトラック「D-MAX」(日本未発売)の計3車種を調達して防弾化し、2028年度に評価試験を実施するとしています。

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インドネシア軍の軽装甲車「マウン」。メーカーのPTピンダドは明かしていないが、ランドクルーザーのエンジンとハイラックスのシャーシの使用が推定されている(竹内 修撮影)

 軽装甲機動車は航空自衛隊を含めれば1954両が調達されており、陸上自衛隊では「顔」あるいはワークホースとでも言うべき装甲車となっています。ただ陸上自衛隊では2001(平成13)年の調達開始から間もなく四半世紀を迎え、主に防御力の面で、厳しさを増す日本の安全保障環境に適合しなくなりつつあります。

 このため防衛省は2019年から、軽装甲機動車を後継する「小型装甲車」の導入計画を開始していました。

 陸上自衛隊の装甲車は、黎明期にアメリカから供与された車両と、海外の邦人保護を目的にオーストラリアから「輸送防護車」の名称で導入した「ブッシュマスター」を除けば、国内開発品を導入していました。このため小型装甲車も国内開発が有力視されていましたが、軽装甲機動車の開発と生産を手がけてきた小松製作所が、装甲車両の新規開発・製造事業から撤退したため、国内開発が事実上困難となりました。

 そこで防衛省は外国メーカーが開発した車両を導入する方針を定め、防衛装備庁は2022年3月にタレス・オーストラリアの「ハウケイ」(ホークアイ)と、スイスのモワーグ「イーグル」を最終候補に選定。試験車両を調達して試験を行っていました。

 しかし、それも仕切り直しとなった模様です。試験品の調達にまで駒を進めた防衛装備品の選定が仕切り直されるのはあまり例がありません。

 防衛装備庁と陸上幕僚監部が理由を明確にしていないため、真意は筆者にもわかりませんが、ハウケイとイーグルは価格が高すぎて、大量調達が困難になったという話が漏れ伝わってきます。

 そこで民生車両である「ランドクルーザー」と「D-MAX」に白羽の矢が立ったと考えられますが、民生用車両の防弾化という考えそのものは、特段珍しいものではありません。

【日産もあるよ】これが海外の「民生車ベース装甲車」です(写真)

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