乗り通すのが至難!? JR屈指の「赤字&絶景ローカル線」 1日3本しかない県境部、その“潜在力”とは?

宍道駅と備後落合駅を結ぶJR木次線は、かつて陰陽連絡線として栄えたものの、現在はその役割を失い、著しく利用者が減っています。時間帯によっては1時間1本運行される宍道~出雲横田に対して、出雲横田~備後落合は1日3往復と、区間によって極端な落差のある路線です。

周辺からの接続が不便な観光列車「あめつち」

 1961(昭和36)年時点では、宍道~木次間が準急2往復を含む11往復、木次~八川間が10往復、八川~備後落合間が8往復で、宍道~出雲横田間(出雲横田の次が八川)は現在と大差ない本数でした。

 しかし利用者が減少していき、1980(昭和55)年に夜行急行「ちどり」が廃止。1990(平成2)年には木次線への急行乗り入れが廃止されました。それに代わり、1998(平成10)年からトロッコ観光列車「奥出雲おろち号」の運行が始まり、2024年からは「あめつち」に置き換わっています。

 このような現状を知るべく、実際に木次線に乗ってみました。景色が楽しめる昼間に出雲横田~備後落合間を走る列車は、下り2本、上り1本だけです。

 不便なのは、観光列車「あめつち」の時刻です。せっかく乗ろうと考えても、宍道9時30分発の下り「あめつち」(出雲横田行き)に接続する特急は、鳥取発「スーパーまつかぜ1号」や益田発「スーパーまつかぜ6号」だけ。東京発の寝台特急「サンライズ出雲」や岡山発「やくも1号」は接続しません。

 朝一番の飛行機で出雲空港に到着してタクシーを使えば宍道発の「あめつち」に間に合いますが、遠方から利用しやすいとは言えないでしょう。

 上り(宍道方面)も乗り継ぎのパターンが極めて限られており、観光集客という意味では非常に乗りにくいダイヤとなっています。

【景色がイイ!】木次線の駅と車窓をたっぷり見る(写真)

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