なぜ高速看板は青じゃない?「目に優しい」は俗説です! じつは60年前の検証結果が由来
高速道路の標識は緑、一般道は青と決められていますが、その根拠は何なのでしょうか。実は「目に優しいから」ではありませんでした。
目に優しいは俗説ってホント?
よく言われる「緑は目に優しく、安心感を与える」という心理的効果ですが、NEXCO各社はこれを公式に否定しています。あくまでも色の決定は、夜間の視認性という科学的データに基づいており、心理的効果は設計の根拠ではありません。

ただ、この基準はあくまでも日本国内のハナシで、世界的に見るとさまざまです。アメリカの高速道路標識は日本と同じ緑色ですが、ドイツのアウトバーンは青色を採用しています。
国によってはさらに複雑で、例えばイギリスでは高速道路が青、主要な一般道が緑であるのに対し、イタリアではその逆で高速道路が緑、主要道が青と、国ごとに独自の規則が定められています。
また、日本国内の同じ緑色でも、実は事業者によって微妙に色合いが異なります。「首都高速道路」で使われる緑は、NEXCOが使う緑よりもやや明るい色調です。これは、無数の照明がひしめく都市環境で視認性を高める工夫と考えられています。
さらに、使われるフォントにも違いがあり、NEXCOが主に「ヒラギノ角ゴ」なのに対し、首都高速では「新ゴ」という書体が使われているのも興味深い点でしょう。
最後に、三重県と奈良県を結ぶ「名阪国道」のように、無料の一般道なのに標識が緑色という場所も存在します。これは、名阪国道が法律上「自動車専用道路」に指定されているためで、標識令の規定に厳密に従った結果です。
普段、何気なく見ている標識の色には、単なる慣習ではなく、科学的な検証と法的な根拠に基づいた、安全のための緻密な計算が隠されているのです。
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