トランプ「戦艦復活」発言が話題→実はすでに“前例アリ” !? 空前絶後の「建艦構想」その経緯とは
アメリカのドナルド・トランプ大統領は、海軍に“戦艦”を復活させる構想を真剣に検討していることを明らかにし、国内外で大きな話題に。実は、かつて本当に第二次世界大戦中に運用された戦艦を復活させた前例が同国にあります。
急な増強無理! じゃあ戦艦を再利用するのは?
この構想は、15隻の空母を中核とする航空機動部隊と、4個の水上打撃群を常備軍として配備し、合計600隻の艦艇を保有するというものでした。そのために新型空母の建造に加え、原子力潜水艦、巡洋艦、駆逐艦、補給艦などの大幅な増強が計画されました。

しかし、当時のアメリカ海軍が保有する戦闘艦艇の合計はわずか475隻で、目標の8割にも達していませんでした。
まず空母については、新造艦の建造が間に合わず、既存艦が次々と退役時期を迎えてしまうため、単純に数を増やすのは非常に困難でした。そこで退役寸前だった空母「ミッドウェイ」を延命させるなど、工夫を凝らして数を確保しましたが、それでも改修や艦齢延命工事の必要があり、実質的な戦力は13隻にとどまったとされています。
また、仮に航空機動群15個が実現できたとしても、4個の水上打撃群の整備はさらに困難でした。ミサイルを大量に搭載できる新型の巡洋艦や潜水艦を短期間で大量建造することは、現実的には不可能だったのです。
そこで浮上したのが、すでに退役していた艦艇の再就役プランでした。特に注目されたのが「戦艦」の再活用です。
このとき再び登場したのが、20年以上前に退役しモスボール(長期保存)されていたアイオワ級戦艦4隻です。これらは近代化改修を施されたうえで現役復帰し、最新のトマホーク巡航ミサイルやハープーン艦対艦ミサイルを搭載。装備面では最新鋭艦にも引けを取らない能力を持つことになりました。
さらに、第二次世界大戦中に上陸作戦で絶大な火力支援を提供した、主砲である「Mk.7 50口径16インチ(40.6cm)三連装砲」もそのまま健在でした。この巨大な主砲を備えた戦艦の存在は、単なる火力増強にとどまらず、「アメリカの海軍力の象徴」「攻撃力の誇示」といった心理的な効果も狙ったものでした。
こうした涙ぐましい努力と、100隻近い艦艇の新造により、アメリカ海軍はかつてない強大な海軍力を手にし、1989年には目標であった600隻体制の実現が視野に入るまでになったのです。
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