銃無しで日本の空守った!?「月光」と呼ばれた自衛隊の戦闘機 “ビックリ構造”を特別に拝見!

このたび所沢の航空博物館の格納庫が特別公開され、普段見ることのない航空機を見学することができました。そこには、かつて航空自衛隊で使用された、特異な武装を搭載したジェット戦闘機がありました。

国内各地で見られる「セイバードッグ」

 F-86Dは新機軸を盛り込んだ迎撃機でしたが、ロケット弾のみの武装は使い勝手が悪かったのか、ドイツやイタリアなどで使われた派生型のF-86K型はロケットパックに換えて20mm機関砲4門を装備しています。それでも1950年代半ばのアメリカ防空軍団では、所属戦闘機の95%以上をF-86Dが占め、アメリカ本土防空の主力を担いました。

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2025年8月30日と31日の2日間に渡って特別公開され、多くの見学者が訪れた所沢航空発祥記念館横の格納庫(吉川和篤撮影)。

 日本でも1958(昭和33)年から3年かけて122機の「セイバー」がアメリカから供与され、航空自衛隊第101、102、103および105の計4個飛行隊に配備され、「月光」の愛称が付けられ運用されました。

 しかし、終始部品不足で泣いたほか、新型のF-104「スターファイター」戦闘機が導入されるなどしてF-86Dは徐々に姿を消し、配備開始から10年後の1968(昭和33)年には全機退役しています。

 航空自衛隊にとってF-86Dは、全天候型戦闘機の運用ノウハウを獲得するうえで貴重な機種となり、その経験は現在も活かされています。退役した後も比較的多くの機体が、千歳基地(北海道)や小松基地(石川県)、百里基地(茨城県)などで展示・保存されており、筆者(吉川和篤:軍事ライター/イラストレーター)の郷里である香川県の陸上自衛隊善通寺駐屯地にも1機が屋外展示されています。

 とはいえ、屋外展示機のほとんどは「70mmロケット弾パックが露出した状態」ではないため、今回の格納庫公開で初めてその特徴を間近で見学することができました。

 この特別公開はこれまでも年に一度ほどのペースで行われていましたが、所沢航空発祥記念館自体が大規模リニューアル工事で2027年3月末まで休館となっています。そのため、次の特別公開はそれ以降になる見込みです。

 記念館のリニューアルオープンと、その日が来るのを楽しみに待ちたいと思います。

【写真】空自仕様「セイバードッグ」ディテールをイッキ見!

Writer:

1964年、香川県生まれ。イタリアやドイツ、日本の兵器や戦史研究を行い、軍事雑誌や模型雑誌で連載を行う。イラストも描き、自著の表紙や挿絵も製作。著書に「九七式中戦車写真集」や「イタリアの中戦車・重戦車写真集 」、「イタリア軍写真集」など。

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