台風被災で空自巨大輸送機飛来の「八丈島空港」、実は”着陸難易度Sランク”なぜ? パイロットに称賛の声も納得な理由
台風22号で大きな被害を受けた八丈島。その直後に物資輸送の基点となった「八丈島空港」は、国内で指折りの「着陸が難しい空港」として知られています。その理由はどこにあるのでしょうか。
立地で気流が…
東京都心から南へ約300kmに位置する八丈島は、2025年10月9日の台風22号により、家屋の倒壊や断水など大きな被害を受けました。13日には航空自衛隊の最新かつ最大の輸送機「C-2」が八丈島空港へ飛来し、支援物資を届けています。八丈島空港は、国内で指折りの「着陸が難しい空港」として知られていますが、その理由はどこにあるのでしょうか。

八丈島は南部に三原山、北部に八丈富士(西山)がそびえ、その中央に平野部が開けるという独特の地形が特徴です。空港は平野部の八丈富士側に位置し、滑走路はほぼ東西方向で、長さは2000m。日常的にジェット機の発着がありますが、国内空港の滑走路としては比較的短めです。なお、航空自衛隊の資料によると、C-2輸送機の着陸滑走距離(満載時)は約2300m、離陸滑走距離は約500mとされています。
八丈島空港を知るパイロットは「風の流れが非常に複雑で、風速が低くても気流が安定しない空港」と評しています。これは、滑走路の南北それぞれ約3km前後に三原山と八丈富士があることによる影響です。さらに滑走路は中央付近がピークとなるよう設計され、両端に向かって0.4%の下り勾配となっています。着陸時には、接地寸前で上り勾配に突入する形になり、パイロットにとって降下角度の変化が大きなポイントとなります。
加えて、滑走路の端には取付誘導路がなく、駐機場との地上走行時には滑走路端で180度の方向転換を行う必要があります。滑走路端の幅を広げた「ターニングパッド」も設置されておらず、狭い範囲で転回することが求められるため、地上操作も注意が必要です。
そうした八丈島空港に降り立ったC-2輸送機に対し、SNSではパイロットの能力や機体の性能を評価する声が寄せられています。
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