「商用バンみたい」から一転!「スライドドア高級車」急増したワケ キッカケは“天才的”な一台!?

トヨタが公開した「センチュリー」の2ドアクーペやレクサス「LSコンセプト」をはじめ、スライドドアの高級車が増えています。近年まで「商用車の装備」というイメージでしたが、スライドドアは何故ここまで人気となったのでしょうか。

平成初期以降はスライドドアが一躍人気に!

 その一方、スライドドア車をファミリーカーとして熟成させつつも、スライドドアを持たないスポーティなミニバンに力を入れていたのがホンダです。

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「天才タマゴ」の通称でも知られた初代「エスティマ」

 ホンダは1994年に初代「オデッセイ」を、1996年には初代「ステップワゴン」を連続でヒットさせています。スライドドア車であるステップワゴンは、背の高い実用的なファミリーカーとしてイメージを構築していきましたが、初代「ストリーム」や3代目オデッセイをはじめ、スポーティなミニバンにはスライドドアは装備されませんでした。

 一時はトヨタも「ウィッシュ」でストリームに対抗姿勢を示しましたが、2000年代半ば以降は、こうしたスポーティなミニバンの人気が徐々に低下。代わってスライドドア付きのミニバンが存在感を高めていきます。つまり「普通のドアのミニバンやワゴンはいらない」と市場が答えたということであり、パイオニア的存在であるオデッセイですら、スライドドア付きミニバンへと移行していきました。

 逆にホンダは、ステップワゴンのように実用的なスライドドア車を、軽サイズで実現した「N-BOX」を2011年に発売。空前のヒットを記録し、軽自動車市場の勢力図を、一気に塗り替えてしまいました。

 このように、スライドドアは軽自動車から大型ミニバンまで広く普及し、いつしか“商用車の装備”というイメージも薄らいでいきました。VIP向けのショーファーカーですら、今や高級ミニバンを使うのが当たり前で、銀座や丸の内などの都心部では、黒塗りの「アルファード」が驚くほどたくさん走っています。

【写真で見る】これが次世代の「高級スライドドア車」です

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