「商用バンみたい」から一転!「スライドドア高級車」急増したワケ キッカケは“天才的”な一台!?
トヨタが公開した「センチュリー」の2ドアクーペやレクサス「LSコンセプト」をはじめ、スライドドアの高級車が増えています。近年まで「商用車の装備」というイメージでしたが、スライドドアは何故ここまで人気となったのでしょうか。
実用的でもある「センチュリークーペ」のスライドドア
また、この勢いは中国やASEAN(東南アジア諸国連合)地域にも伝播していき、近年は現地メーカーによるVIP向けのミニバン開発も盛んです。これらの地域では、クルマが普及しだした頃から日本製のスライドドア付き高級車が当たり前に存在していたので、抵抗なく受け入れられていったと考えられます。
 
                
                  
                しかし、18~19世紀末にかけて自動車が普及していった欧米各国では、高級車=古典的なセダンタイプという伝統が今も重んじられています。スライドドアモデル=商用車という人々のイメージも根強いようで、現在もスライドドア付きの高級車は一般的な選択肢ではありません。
日本ですら、スライドドア付きの高級車が一般化するのに四半世紀以上の歳月を要しました。欧米でもスライドドア付きの高級車が受け入れられるには、まだまだ時間がかかりそうですが、快適度なら間違いなくセダンよりミニバンのほうが上なだけに、こうしたニーズの変化は近い将来、確実に起こるでしょう。
なお、JMS2025でお披露目される2ドアクーペのセンチュリーは、ドア部分が前方へと動くタイプのスライドドアを採用しています。開閉は従来のレール式ではなく、ドア下側のアーム機構によって行うため、ボディデザインの自由度も大きく向上しています。
また、2ドアクーペはドアが大きくなりがちで、乗り降りに気を遣うのも難点です。しかし、スライドドアならスペースを取らないので、隣のクルマとの距離も気にせずに済みます。センチュリー2ドアクーペのスライドドアは、ファッション性だけでなく実用面のメリットも考えられており、欧米の保守的な高級車ユーザーにも、大きなインパクトを与えるかもしれません。
Writer: 鈴木ケンイチ(モータージャーナリスト)
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体にて新車レポートやエンジニア・インタビューなどを広く執筆。中国をはじめ、アジア各地のモーターショー取材を数多くこなしている。1966年生まれ。
 
                
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