スズキへの対抗心むき出し!?「ダックス」の伝説的派生モデルが、40年後に“化けた”件

1960年代に“レジャーバイク”という新ジャンルを築いたホンダは、1969年に新モデル「ダックス」を発売。徐々にバリエーションを拡大していきましたが、なかでも少々異色なのが1973年に登場した「ノーティダックス」です。

旧車になってから人気爆発?

 しかし、ノーティダックスが発売された当時の日本市場は、レジャーバイクブーム最盛期の“百花繚乱”な時代。ノーティダックスは性能の高さの割に、「遊びのミニバイク」としてのインパクトに少々欠ける印象もありました。

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1976年のダックスグループのカタログ。オリジナルのダックスとノーティダックスが仲良く並ぶ(当時のカタログより)

 ノーティダックスは「CY50」の名でアメリカにも輸出されて親しまれたものの、日本での人気は伸び悩みました。1976年には騒音規制適合のためにマイナーチェンジも受けましたが、翌1977年に登場した姉妹モデルの「R&P」へ移行を進めつつ、1980年に生産を終了。そのR&Pも1983年に絶版となり、2車の系譜は途絶えてしまいました。

 しかし、ノーティダックス(とR&P)は、絶版から10年以上たった1990年代後半にカスタムシーンで人気に火が付きました。発端となったのは、あるカスタムショップが製作した、アメリカンスタイルの車両。2車はもともと、標準のダックスより“ワルっぽい”雰囲気があったため、こうしたアメリカンカスタムには、全国のショップが追随しました。

 このブームの直後である2001年にホンダが発売したのが「エイプ」です。ノーティダックスからR&Pに引き継がれたタンク位置や縦置きエンジンといった構造は、エイプにも見て取ることができます。そう考えると、ノーティダックスはダックスの派生モデルの域を越え、新しい系譜につないだレジャーバイクファンにとって大切な1台だったように思います。

【確かに似てる…!】これが「ノーティダックス」から「エイプ」につながる系譜です(写真で見る)

Writer:

1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。

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