“自衛隊パジェロ”ウクライナで好評も「困ってます」「無理して使ってます」 露呈した装備品輸出の“欠けた視点”

日本からウクライナへ送った「パジェロ」ベースの軍用車両が、現地で使われ好評のようです。ただ、現場では苦労している側面も。「売りっぱなし」の状態は、今後の装備品輸出では禁物かもしれません。

ウクライナで「ミリタリーパジェロ」どう使われている?

 2025年5月にアジアプレスの映像ジャーナリストである玉本英子氏が発表した現地レポートは、1/2tトラックを運用しているウクライナ軍の将兵の評価を伝えています。

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あぶくま型護衛艦「あぶくま」。フィリピンへの輸出検討が報じられている(画像:海上自衛隊)

 同軍が運用している三菱自動車製のピックアップトラック「L200」と比較すると、ドアが大きく車内に余裕があるためフル装備の兵員が乗降しやすく、また設計値(約440kg)以上に貨物を積載しても走行可能で、泥濘地でも支障が無いと述べており、その性能は概ね好評のようです。

 ただ、そのウクライナ軍将兵は、現地語のマニュアルが無く、エアコンの操作方法や小銃取付け具の場所などは使いながら手探りで知ったとも述べています。

 1/2tトラックは複雑な防衛装備品ではありませんから、ウクライナ語のマニュアルがないことはそれほど大きな問題ではないのかもしれません。しかし、ウクライナ軍の将兵は玉本氏に対して、修復用部品の入手は困難で、現場の兵士がネットで互換品を探したり、遠くの町の業者に頼んで修理してもらったりしてなんとか運用していることや、特に消耗が激しいタイヤの入手は難しくひび割れが入ったまま使い続けている、といった問題点も指摘しています。

【カッコいい!】これがウクライナでも活躍する「自衛隊パジェロ」です(写真)

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