「怖くて全開にできねぇよ…!」 ライダーが恐れた「ヤマハの直線番長」VMAX伝説 親戚は“特急電車”ってマジ?
アメリカンのようでいて、ダートトラッカーにも感じる個性派大型バイクだったヤマハ「VMAX」。独特なエクステリアもさることながら、V型4気筒1200ccのエンジンには、独自の“飛び道具”も備えていました。
6000回転からは“超加速ゾーン”へ!
初代VMAXは、登場から32年が経過した2025年の今見ても古びた印象はなく、独創的で優れたデザインを持っていますが、VMAXの独創的なポイントは、外観デザインだけではありません。
そのもうひとつのポイントが、ヤマハが独自に開発した「Vブースト」と呼ばれるエンジン機構です。
Vブーストは、ガソリンを空気と混ぜた混合気にしてエンジンに送り込む、キャブレター装置を制御するメカニズムです。VMAXのエンジンには4基のキャブレターが装着されていますが、Vブーストはこれらをバタフライバルブの開閉によって、2基ずつ連結して可変制御します。
これにより、低中速時には1気筒につき1基のキャブレターから混合気が送られますが、6000回転を超えたあたりからバタフライバルブが開き始め、8000回転で全開状態に。つまり、高回転時にはキャブレターが1気筒あたり2基となり、大口径のキャブレターを装着したような加速が得られたのです。
最高出力145psを発揮するVブースト付きエンジンは、あまりにも加速が強烈だったために、テスト走行で「怖がったライダーが最高回転までエンジンを回しきれなかった」という逸話も残っています。




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