「怖くて全開にできねぇよ…!」 ライダーが恐れた「ヤマハの直線番長」VMAX伝説 親戚は“特急電車”ってマジ?
アメリカンのようでいて、ダートトラッカーにも感じる個性派大型バイクだったヤマハ「VMAX」。独特なエクステリアもさることながら、V型4気筒1200ccのエンジンには、独自の“飛び道具”も備えていました。
日本仕様は「自主規制します…」それでも超速かった
デカくて、強くて、派手なものが好きなアメリカのバイカーたちから、VMAXは瞬く間に絶大な支持を得ました。当初は主にアメリカ市場専用だったVMAXは、のちにカナダ仕様、ヨーロッパ仕様なども登場。世界中の大型バイクユーザーたちの心を鷲づかみにしました。
また、1990年には遂に日本国内でも750cc以上のバイクが販売解禁となり、同年VMAXは日本でもデビュー。ただし、日本仕様はヤマハの自主規制によって、最高出力が100psに抑えられていました。
以降、複数回のマイナーチェンジを繰り返しますが、2008年には海外輸出向けのVMAXが2代目へとフルモデルチェンジします。
この2代目は、初代を超える排気量1700ccのV型4気筒エンジンを搭載。初代の特徴だったVブーストは廃止となりましたが、キャブレターに代わってフューエルインジェクション(電子制御燃料噴射装置)を採用するなどの改良により、最高出力は200psを達成しました。
一方、日本仕様のVMAXも翌2009年に発売。最高出力は初代と同様に抑えられていましたが、それでも海外仕様の初期モデルを超える151psを実現し、さらなる注目を浴びることとなりました。
他メーカーの追随を許さない独創的なモデルだったVMAXは、2017年に発売された120台限定モデルを最後に生産終了し、32年に及ぶ歴史に幕を閉じました。しかし初代・2代目ともに今も「直線番長」「ヤマハの至宝」とも称賛され、そのパワフルで独特な乗り味や個性的な外観から、“伝説のバイク”として語り継がれています。
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。




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