西日本の赤字ローカル線=「ほぼ同じ車両」なぜ? もう30年選手「キハ120」のスゴさを知っているか!?
JR西日本の広いエリアで見かける車両の一つが、キハ120系気動車でしょう。同社管内のローカル線で幅広く活躍するこの形式について紹介します。
あっという間にローカル線の顔に!?
このように軽量高性能なキハ120形は、キハ52形を必要とするような勾配路線区にも投入可能となりました。1992(平成4)年に初登場したキハ120形は、車体が普通鋼製でセミクロスシート仕様の200番台。越美北線や木次線などに投入されました。0番台より200番台が最初に登場するのは珍しいことです。
翌1993(平成5)年からは、ロングシートでステンレス車体の0番台が登場し、側窓がユニットサッシから1枚ガラスとなって眺望性が向上しています。0番台は関西本線、木次線、美祢線などに投入されました。
最後に造られたのは1994(平成6)年から登場した300番台です。0番台と同じステンレス車体ながらも、セミクロスシートを採用しています。
300番台は関西本線、高山本線、大糸線、三江線、山陰本線、姫新線、津山線、因美線、芸備線、福塩線などに投入されました。
なお、キハ120形は「車体が短いのに冷房を搭載したため、トイレの設置スペースがない」という理由でトイレがなく、乗客には駅のトイレを使う案内を出し、車内には「トイレのある駅」が掲示されていました。しかし、駅間が長いことや行き違い待ちの駅は限られることもあって、車内トイレの非設置は問題となり、中国・山陰地方と越美北線用のキハ120形には追加工事でトイレが設置されています。
2017(平成29)年から、安全性と快適性の向上を目的としてリニューアル工事が全89両に行われています。これにより、座席の袖仕切り大型化、手すり・つり革の変更、前照灯・車内照明のLED化、車内照明の間接照明化、ドア開閉スイッチとドアチャイムの設置、フォグランプ追加などが行われました。また、一部車両は低公害型エンジンに換装されました。
さらに、関西本線、越美北線、木次線、芸備線では観光振興のためのラッピング塗装も行われています。現在も関西本線で「お茶の京都トレイン」、芸備線で「庄原さとやまトレイン」、木次線で4両が「次へつなごう、木次線。RAIL is BATON」として、沿線の歴史や沿線風景を描いたデザインが施されています。
かつて各地に導入された全長16.3mの「NDCシリーズ」の初期車両は、いずれも引退や廃車となっており、キハ120形は最後の生き残りでもあります。登場から30年以上一貫して地方交通線を支え続けたキハ120形は、末永く活躍してほしいものです。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。





>キハ120形は最後の生き残りでもあります。登場から30年以上一貫して地方交通線を支え続けたキハ120形は、末永く活躍してほしいものです。
リニューアル完了から日が浅いが、なるべく早いうちにDEC700の営業用量産車を開発して、古い車両を駆逐してほしいものです。