日本唯一!「バス×鉄道」の激レア乗りもの間もなく終了か? 利用者は多いのに…なぜ?

愛知県には「ゆとりーとライン」という公共交通路線があります。この路線では「ガイドウェイバス」という電車とバスの特徴を持った車両が走行しています。

経営安定しているのに、なぜ?

 開業して数年後には黒字化も達成したゆとりーとライン。コロナの流行した2020年頃は1億円以上の赤字を計上しましたが、2025年6月公開の決算報告書ではその赤字額も2200万円に減少しており、経営自体は比較的安定しているように思われます。

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ガイドウェイバスの後輪。赤い矢印で指し示したのが、案内輪(柘植優介撮影)。

 しかし、経営以上に大きな問題となっているのが、車両としてのガイドウェイバスです。前述したようにガイドウェイバスは複数のメーカーが関わって作成しています。ただ、導入から年数が経ち生産ラインもすでに閉鎖されているため、今では新車や後継モデルを用意できなくなっているのです。

 そうなると、保有する車両を改修しながら使うしかありませんが、今から20年以上前に作られたため、バリアフリーなどの観点からも問題が多く、車両の改善は重要な課題になっています。そのため、最近ではガイドウェイバスの構造を見直し、自動運転技術を用いた無人車両を後継にすることも検討されているそうです。

 名古屋市住宅都市局では、来年度以降、自動運転車両の走行試験を施設内で開始し、現在の高架については、自動運転の走行基準を満たすかどうかの調査を行うとしています。

 市の計画においても、名古屋ガイドウェイバスの自動運転化の目標時期について2026年としていることから、日本唯一の「鉄道+バス」車両が見られる期限はあと少しに迫っています。

【ホントだ!】走行中、ハンドルから手離したままのバス運転手(写真)

Writer:

愛知県生まれ。飛行機が好きで航空博物館などを取材するうち、自動車関係の記事や取材も手がけるようになる。ホンダ「シビック Type R」のようなホットハッチが好み。

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