ここも東京なのだ オレンジのE233系が緑に映える! 山あいを走る電車を「鳥目線」で追う

東京都心を行き交う通勤電車は、山々の間を流れる渓谷にも走ります。山間部の東京の魅力を楽しめるJR青梅線を空撮しました。

奥多摩駅を出発

 JR青梅線はJR中央本線の立川駅を起点に北西へと進み、拝島駅でJR八高線、五日市線、西武拝島線と接続します。線路は東青梅駅で複線から単線となって関東山地に分け入り、多摩川の渓谷に沿います。

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北側から奥多摩駅を見る。左手が奥多摩駅で日原川が街を横切る。右手前で日原川に架かる橋は貨物線「小河内線」の廃線跡(吉永陽一撮影)

 霊場御嶽山の最寄り、御嶽駅以降は勾配が15~20パーミルときつくなり、小さなトンネルをいくつか潜ります。白丸駅から全長1270mの氷川トンネルを潜った先が、終点の奥多摩駅です。

 青梅線は東京都内のJR線の中でも屈指の山岳路線らしい線形と渓谷を映す車窓、沿線では様々なアウトドアスポーツなどが楽しめることから、「東京アドベンチャーライン」という愛称が付けられています。

 今回は、終点の奥多摩駅から青梅駅付近まで空から追います。

 奥多摩町は関東山地の山々が折り重なり、西方には小河内ダムと奥多摩湖が控えています。奥多摩駅から小河内ダムまで、かつてダム建設用の貨物線「小河内線」がありましたが、長らく休止の後に廃止となり、多摩川が形成した深い谷に沿う青梅街道の山側にひっそりと廃線跡が眠っています。参考までに、地上で廃線跡散策をする際は、一部の痕跡が「奥多摩むかし道」に沿って確認できます。

 奥多摩町は四方を標高700~800mの山々に囲まれ、少ない平地には家々が密集して街並みが形成され、その中心地に奥多摩駅と奥多摩町役場があります。日原川と多摩川の合流地点があって、二川は深い谷を成し、町並みを分断するかのように流れています。奥多摩駅は1971(昭和46)年まで氷川駅と呼称していました。

 特筆すべきは、奥多摩駅に隣接する奥多摩工業の石灰石工場です。近隣の山々は石灰産が産出されており、石灰石輸送は同線の要でもありましたが、1998(平成10)年に石灰石輸送貨物列車が廃止となりました。

 渓谷の多摩川沿いを小型機で飛んでいると、川井~御嶽間で上り電車を捉えました。眼下のE233系が都心部と異なるのは、4両編成だということです。現在は青梅駅で運用が分離されており、立川~青梅間は最大12両編成での運転ですが、青梅~奥多摩間は4両編成のワンマン運転となります。

 二俣尾駅から青梅駅はあっという間です。上り電車の追跡も時間が迫り、横田基地にも近づいてきたため、青梅駅の全景をラストにして、山間を走る青梅~奥多摩間の撮影を終えました。

 青梅線は季節が変われば、沿線の表情もガラッと変わります。これからの山々は晩秋から冬へと季節が進みます。最近は熊の出没情報があるため最新のニュースに気を付けつつ、青梅線の通勤電車に揺られて冬の奥多摩へ訪れるのも良いでしょう。

【緑に映える銀色!】渓谷沿いを走るJR青梅線を空から見る(空中写真)

Writer:

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。日本写真家協会(JPS)正会員、日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。

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