「ボーイングの新型旅客機」結局どうなる? 幹部が話す「797」実現のヒント 海外で「作ります!」報道後の最新状況とは
ボーイングが、新型旅客機の開発に着手したと報じられています。実現すれば「ボーイング797」誕生といえるかもしれない、この新型機の最新の検討状況は、どのようなものになっているのでしょうか。同社の幹部がその質問に答えています。
「797」結局最新状況はどうなの?
ボーイングによると、737MAXシリーズは6850機の受注を獲得しており、ハルスト氏は「2030年代半ばまでは十分なバックログがあります」と説明します。この数字には、航空機の実用化のうえで不可欠なFAA(アメリカ連邦航空局)などの「型式証明(当局側がその型式自体の性能・安全性を保証する制度)」をまだ取得していない「737-7」「737-10」も含まれています。
こうした状況下で新型機開発の報道が出ましたが、ハルスト氏は「現在の最優先事項は737-7と737-10など、最新サブタイプの型式証明の取得であり、現時点で新型機の開発は時期尚早と考えています」と述べました。
そのうえで、新型機をつくる条件について次のように説明します。
「将来の技術を注視しています。新型機の開発には3つの要素があります。1つ目は市場が新しい飛行機を必要としているか。2つ目は成功できる技術が存在するか。3つ目は、それを設計・製造する我々の能力です」
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ボーイングはかつて「NMA(New Midmarket Airplane、新中型機)」と呼ばれる計画を公表していましたが、2020年に事実上白紙となりました。これはメディアの間で「ボーイング797」と呼ばれていたプロジェクトです。
ハルスト氏の説明を総合すると、「まずは737MAXシリーズのすべてのサブタイプを実用化させ、そのうえで新型機開発を状況に応じて判断する」という方針になります。とはいえ、将来的には先端技術を組み込んだ“797”が発表される可能性は十分に残されているといえそうです。
Writer: 松 稔生(航空ライター)
国内航空会社を中心に取材を続け、国内・海外を奔走する日々を送る。ゆとり世代。





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