日本の自衛隊に「騎兵」はいないが“緑色の馬”を駆る部隊が存在する そのユニークな役割とは?

陸上自衛隊に騎兵部隊はありませんが、即応性や偵察能力といった伝統を受け継ぎ、現代の“騎兵”とも呼べる部隊が存在します。第7偵察隊です。

元々はソ連に対応するために創設された

 なぜこのように第7師団で機甲化・自動車化が進められたのかといえば、かつての仮想敵国がソビエト連邦であったためです。

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偵察訓練を行う87式偵察警戒車(画像:第7偵察隊)

 北海道は冷戦期、ソ連と国境を接する軍事的緊張度の高い地域であり、ソ連が戦闘を仕掛けてきた場合、北方領土などから多数の揚陸艦を送り込み、大量の機甲部隊を広大な北海道の大地に展開させることが想定されていました。

 そのため、上陸してきた敵に迅速に対応するには、部隊のスピードが不可欠でした。そして、上陸部隊の規模をいち早く把握するため、機動力が高く威力偵察に長けた第7偵察隊のような存在が必要とされたのです。しかも、相手が戦車主体の機甲部隊であることが予想されたため、同隊は当初から戦車を運用する偵察部隊として構想されました。この方針はソ連崩壊後、対峙する国がロシアとなってからも継続されています。

 ただし、冷戦後には運用方針に一定の変化も加えられました。北海道でロシアの脅威に備える基本戦術を維持しつつ、第7師団は道外で行われる訓練にも積極的に参加しています。これは、2000年代以降に影響力を増した中国人民解放軍への対応を想定した訓練でもあります。

 また、2018年の「陸上自衛隊発足以来の大改革」により、各地に「偵察戦闘大隊」が新設されました。この偵察戦闘大隊には、105mm砲という戦車並みの火力と、装輪装甲車並みのスピードを併せ持つ16式機動戦闘車が配備され、従来は第7偵察隊の“専売特許”のように思われていた装甲車両による偵察が可能な部隊が増加しています。しかし、戦車を装備する偵察隊は依然として第7偵察隊のみであり、その特別な位置付けは変わっていません。

【画像】スゴい技術だ! これが、第7偵察隊のバイク隊員です

Writer:

なぎはまな。歴史は古代から近現代まで広く深く。2019年現在はフリー編集者として、某雑誌の軍事部門で編集・ライティングの日々。趣味は自衛隊の基地・駐屯地めぐりとアナログゲーム。

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