世界初の軍用飛行機はライト兄弟が作った!?「歴史上の偉人」が生んだ知られざる「初めて」(前編)
ライト兄弟は、1903年12月17日に世界で初めて「制御された動力飛行」に成功したことで知られています。これだけでも歴史に名を残したといえるのですが、それ以外にもさまざまな航空分野での「初めて」を記録しています。
カナード(先尾翼)形式を採用したライトフライヤー
世界で初めて「制御された動力飛行」に成功したことで知られるのが、アメリカのライト兄弟です。これだけでも歴史に名を残したといえるのですが、それ以外にもさまざまな航空分野での「初めて」を記録しています。その1つがカタパルト射出です。
ライト兄弟が世界初の「制御された動力飛行」を成功させたのは、今から120年以上前の1903年12月17日のこと。場所はノースカロライナ州キティホークでした。このとき進空した「ライトフライヤー」をよく見てみると、2枚重ねられた複葉形式の主翼を中心に、前方に上下(ピッチ)方向の動きを制御する水平安定板、後方に左右(ヨー)方向の動きを制御する垂直安定板が配置されています。
これは現代の戦闘機、ユーロファイター「タイフーン」やダッソー「ラファール」、サーブ「グリペン」などが採用しているカナード(先尾翼)のはしりといえます。ライト兄弟はライトフライヤーの前段階となるグライダーの設計に際し、1901年から自作の風洞で実験を繰り返して、この形態を採用しました。
最初は前方に水平安定板1枚という形でしたが、より安定した操縦を実現するため、後方に垂直安定板を1枚設置し、最終的には2枚ずつの配置となりました。前後に割り振ったのは、主翼だけで胴体と呼べる部分を持たない形状のため、重心が片寄らないようバランスをとったものと考えられます。
もちろん、この当時は昇降舵や方向舵という概念がなく、水平安定板、垂直安定板全体を動かして操縦するようになっていたので、現代の超音速戦闘機が採用する「オールフライングテール」も先取りしていたといえるかもしれません。





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