「日本の軽」は海外に食われるのか? “日本独自規格”脱出への壁 「海外で売っていいよ」と言われても簡単じゃない!?

日本の軽乗用BEVが、にわかに注目を集めています。これまで日産・三菱の独壇場だった市場に、ホンダや中国のBYDが相次いで参戦。また海外でも日本の軽を参考にした小型車枠の新設の動きが相次いでおり、競争の激化は必至です。

BYDラッコvs国産スーパーハイト軽の行方は?

 そこで、現時点で発表されている情報からラッコの長所・短所を見ていきましょう。

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BYDが2026年夏に日本導入する予定の軽BEV「RACCO」(乗りものニュース編集部撮影)

 第一の長所は、ラッコが日本で最も人気のある、両側スライドドア付きのスーパーハイトワゴン軽である点です。スライドドアを持つ軽EVは、まだ国産メーカーでは三菱「ミニキャブEV」やホンダ「N-VAN e:」といった、商用車寄りのモデルしかありません。まさにラッコは「こういうEVが欲しかった」という日本人のニーズをガッチリ掴む可能性があります。

 また、BYDらしい個性的なデザインも注目のポイントでしょう。BYD車の内外装のデザインは、元メルセデス・ベンツのデザイナーだったミケーレ・パガネッティ氏や、元アウディのヴォルフガング・エッガー氏が総指揮を執っており、「他人と同じクルマは嫌だ」という、ユニークな感性を大事にしている人には刺さりそうです。

 そして、ラッコはBYDのBEVモデルの売りである、リン酸鉄リチウムイオン電池の「ブレードバッテリー」も採用しています。サクラ/ekクロスEVやN-ONE e:は、三元系リチウムイオンバッテリーを搭載していますが、リン酸鉄は熱分解温度が高く発火のリスクが低いなど、安全性や耐久性に優れるのが特徴です。

 一方、リン酸鉄を用いたバッテリーは、エネルギー密度や重量の面で不利という性質がありますが、BYDはこれらの弱点を独自技術でクリア。安全性についても、釘を貫通させても発火しないというプロモーション実験で有名です。ラッコは航続距離ごとに、ショートレンジとロングレンジの2タイプを用意すると発表されています。

 反面、短所として予想されるのは全高1800mmという背の高さです。これは床下にバッテリーを搭載しているためですが、ライバル車となる「タント」や「N-BOX」などよりも高めです。重量がかさむバッテリーを床下に置けば、確かに重心が低くなって安定性が高まりますが、実際の走行性能や安全性がどこまで確保できているのかには注目です。

 さらに価格競争力についても、BYD関係者の話では、周囲が期待するほどの低価格では出せないだろうとのこと。コストパフォーマンス面でのインパクトは小さいかもしれません。

【ド迫力の見た目!】これがホンダN-ONEの「メッチャ速そうなEV版」です(写真で見る)

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