鉄道運賃「大幅値上げ時代」の幕開けに? 利用者も事業者も“試練の1年”か 2026年の鉄道で起こること

2026年の鉄道は、どんなトピックスがあるのでしょうか。運賃値上げやワンマン運転の拡大などが予定されていますが、これらの他にも働き手も乗客も減っていく中で、新たな取り組みが始まります。

JR東日本で始まる二つの「新たな取り組み」

 今回のダイヤ改正では、開業から40年以上が経過してリニューアル工事や地震対策工事が必要な東北新幹線東京~盛岡間、上越新幹線高崎~越後湯沢間について、最終列車が20分程度繰り上げられます。すでに大宮~高崎間と越後湯沢~新潟間は2024年に繰り上げを実施しており、施工効率が10%以上改善するなどの成果を上げていました。

 加えてJR東日本は2025年12月9日、サステナブルな鉄道メンテナンス体制を構築するため、2026年度中に京浜東北線(田端~田町)と横須賀線(東京~品川)で日中時間帯の運休を伴う工事を行うと発表しました。

 夜間工事は長時間を確保できず、準備作業と復旧作業の時間も必要です。また、夜間中心の勤務形態が忌避され鉄道工事従事者の確保が困難になっていることから、日中に集中して効率的に作業します。

 京浜東北線は平日の連続した3日間の日中時間帯に実施する計画で、作業中は山手線の線路を電車が走ります。横須賀線は金曜終電から日曜初電まで連続した工事を行い、横須賀線は品川、総武線快速は東京駅で折り返す計画です。今後、他路線への拡大は効果を見ながら検討する方針です。

 もう一つ注目すべき新たな取り組みが、「E3系」の座席を撤去し、床面をフラット化した荷物専用新幹線のデビューです。2025年秋の登場を予定していたところ、「E8系」の補助電源装置トラブルの影響で延期していましたが、いよいよ3月23日に運行を開始します。

 列車は盛岡~東京間でE5系「やまびこ」の旅客営業列車と連結して走行します。積載量は最大1000箱(計17.4トン)で、荷物は盛岡新幹線車両センターと東京新幹線車両センターで積み降ろし、途中駅での取り扱いはしません。車両センター内の輸送には、段ボールを搭載し自動走行が可能な「AGV(無人運搬車)」を使用し、省力化を図ります。

 まずは盛岡を正午前に出発し、東京に16時頃に到着する上り列車1本の運行ですが、需要を見ながら仙台~東京間、東京~新潟間など他方面への展開、下り列車の設定を検討していくといいます。

 今後、働き手も乗客も減っていく中で、鉄道事業者は新時代のあるべき姿を模索しています。2026年はそんな未来が垣間見える1年になるでしょう。

【2026年デビュー】座席が無ェ!!「白い新幹線」とは?(画像)

Writer:

1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行う傍ら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』(2021年 青弓社)で第47回交通図書賞歴史部門受賞。Twitter:@semakixxx

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