「マジで!? あの因縁のライバル同士が…」衝撃から20年 「JR・東武直通特急」今どう使われている? 車両はどちらも旧世代
日光への観光輸送で長年ライバルの関係にあった国鉄(JR)と東武鉄道が手を結び、2006年から直通特急「スペーシア日光」を運転しています。どのような利用をされているのか、上下列車をそれぞれ利用してみました。
東海道新幹線との乗り継ぎもアリ?
10時28分、栗橋駅に停車して乗務員が交代。個室から短いホームが見えます。スペーシアの個室は静かですが、列車全体も空調と照明がいったん止まって静かになります。
食事が終わったので普通車を一巡。途中駅の乗車で普通車の乗車率は90%程度になりました。グリーン個室は貸し切りのままです。コンセントと荷物置き場がない以外は、現代の最新特急に劣らない居住性を100系は備えています。窓が大きいことは素晴らしいです。ただ、継続して使うなら一部の和式トイレは洋式化した方が良いと思えます。
10時51分、栃木着。この頃には定刻でした。ダイヤは余裕があるようです。2人下車します。11時6分、新鹿沼で1人下車。11時22分の下今市では動きが見えず、ほぼ全員が東武日光まで乗り通しました。
到着後、鉄道ファンにはうれしいことが。東武日光駅で「スペーシア」「リバティ」「スペーシアX」か並んだのです。修学旅行の子どもたちもうれしそうでした。
東京までの上り電車はどうなってた?
その日のうちに、16時20分東武日光発の特急「スペーシア日光4号」で東京に戻ります。繰り返し「JR直通特急」とのアナウンスが流れていました。
乗車率は栃木発車時点で1号車9人、2号車17人、3号車12人、4号車19人、5号車15人、6号車0人。普通車の乗車率は27.3%、グリーン個室は0%でした。
鉄道好きな筆者(安藤昌季:乗りものライター)には十分楽しい「スペーシア日光」の旅でしたが、新型車両「スペーシアX」の列車はほぼ満席でしたから、JR直通といえど一般の乗客に希求するには弱いのだと思います。鬼怒川温泉駅でJR東日本253系の「きぬがわ」を見送ったこともありますが、土曜の午後なのに空席だらけでした。
東武100系もJR東日本253系も老朽化が進んでいます。インバウンドで需要はあると思われるので、車両面でのテコ入れが必要なように感じられました。E261系「サフィール踊り子」のような高級路線の方が、むしろ選ばれる列車になるのではないでしょうか。
また、東海道新幹線との乗り継ぎを考えると、品川発着なども考慮されて良いと思います。上りについては、栗橋停車での通勤特急的な利用も、時間帯としてはありなのではないかと感じました。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。





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