EVバスが増えたら「街が停電する」可能性アリ!? 実際どうなのか? リスク回避に必須の「賢い運用」とは?
1都市を走る路線バスの大半をEVバスにする取り組みも始まるなど、今後、EVバスの大量導入が見込まれます。ただ、特定箇所に集中してEVバスが増えると、「街が停電する」ことはないのでしょうか。
EVバスが増えすぎたら「あわや停電!」リスクあり?
宇都宮市を中心に路線バスを展開する関東自動車が2029年度までの158台の電気バス(EVバス)を順次導入し、1都市を走る路線バスの大半をEV化する取り組みを進めます。大阪・関西万博では約100台の電気バスが導入されましたが、それを上回る規模です。
一方で、電気バスを一箇所で大量導入したり、容量の大きなEV用の急速充電器が普及したりすると、「街が停電する」恐れがあるとも聞かれます。
筆者(井原雄人:早稲田大学スマート社会技術融合研究機構研究院客員准教授)は、「“賢く”運用すれば停電はしません」と言います。逆に言うと、運用を誤るとリスクもあるようです。その理由を解説してもらいました。
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電気に関わる単位として良く使われるのがkWとkWhです。kWは電力といわれ、電気が必要な「瞬間」に求められる力のことです。kWhは電力量といわれ、必要な電気の「総量」のことです。分かりやすい捉え方として「蛇口から出る水の勢い(kW)」と「バケツに貯まった水の量(kWh)」に例えられることがあります。
これを電気バスの充電に当てはめてみましょう。宇都宮市で導入されるいすゞ「エルガEV」の車載バッテリーは242kWhであり、バケツの大きさにあたります。実際の運行時はバッテリーを全て使い切ることはありませんので、充電に必要な量は走行距離に応じた減った分となり、これがバケツから使われた水の量となります。
また、kWについては充電に用いられる充電器の出力(電力)をみる必要があります。1回の充電量が多い電気バスは、充電時間を短縮するために高出力が求められ、50kW程度の急速充電器を使うのが一般的です。大きなバケツに対して、蛇口を大きく開いて勢いよく水を出し、素早く貯めるということになります。
例えば、電気バスが1日走行して150kWhの電力量を消費した場合、50kWの出力で3時間(50kW×3h=150kWh)の充電が必要となるということです。





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