EVバスが増えたら「街が停電する」可能性アリ!? 実際どうなのか? リスク回避に必須の「賢い運用」とは?

1都市を走る路線バスの大半をEVバスにする取り組みも始まるなど、今後、EVバスの大量導入が見込まれます。ただ、特定箇所に集中してEVバスが増えると、「街が停電する」ことはないのでしょうか。

停電は本当に起こるのか?

 停電が起こる原因には、kWとkWhの双方を考慮する必要があります。宇都宮市の電力事情にあてはめてみると、宇都宮市全体での1日のあたりの電力量は891万kWh程度です。

 これに対して、関東自動車が発表した158台が全て電気バスになった場合の電力量は3万kWh程度で、0.3%にも満たない計算になります。3万kWhという値は一見大きい数字に思えますが、これがすぐに停電の原因になるほどの影響があるとはいえません。

 一方で、kWについては注意が必要です。158台の電気バスに対して1台ずつ充電器を準備すると7900kW必要となります。同様に、宇都宮市の業務用高圧の契約電力は27万kW程度です。割合としては3%程度となり、電力量にくらべて影響の度合いが大きくなることが分かります。昨今の冬季などで電力の逼迫がいわれる中で、3%増減するのは無視できない量といえるかもしれません。

だからEMSが必要!

 しかし、実際に問題になるのは導入された充電器の台数ではなく、同時に充電している台数です。そして、バスの運用を踏まえると電気バス1台ずつに充電器が必要であるとは限りません。

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関東自動車のエルガEVはジェイ・バス宇都宮工場の製造にちなんで「メイドイン宇都宮」をアピール(乗りものニュース編集部撮影)

 ここで重要となるのがEMSです。広義のエネルギーマネジメントとは、関連するデータを分析することでエネルギー使用の最適化を行うものです。電気バスへの充電であれば、発電量やバッテリー残量のようなエネルギーのデータだけでなく、仕業データや遅延情報などを組み合わせて充電時間の最適化を行うためのシステムとなります。

 EMSがないと、電気バスは営業所に帰庫した車両が順番に充電することとなり、帰庫が集中する夜間に大きな電力が必要となります。これに対してEMSによる制御が行われれば、翌朝の仕業開始時までに満充電になるように充電の開始を遅らせたり、中休みなどにより昼間に運行していない時間帯に充電するなどの運用が可能となります。

 これにより、充電時間を分散し、同時に充電する台数が削減され、必要となる電力が最適化されます。

【え…!】EVバスが増えると「電気料金も上がる」可能性アリ!?(画像)

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コメント

2件のコメント

  1. EV車だと空調は使えないし冬は特に寒いのでは?みんな湯たんぽ抱いて乗らないと寒いかも。

     

  2. 鉄道ではVVVF制御車の増加によって回生電力が余剰になる傾向が有るので、鉄道会社とバス会社との共同で余剰回生電力を電気バスの充電に充てられる様な仕組み作りが必要と思います。