「新たな展示車両」の来歴は? 青梅鉄道公園に加わる「3両」と中央線との縁を調べてみた
2026年3月に青梅鉄道公園がリニューアルオープンしますが、これにあわせて新たに3両の展示車両が加わります。それぞれどのような車両なのでしょうか。
処遇が注目されていた車両が展示
●ED60-1
ED60は国鉄時代の1958(昭和33)年に登場した電気機関車で、国鉄の直流電気機関車の基礎となる車両です。モーター(主電動機)の軽量化・高出力化をはじめ、省保守で軸重(車輪にかかる重さ)の移動が少ない台車を採用し、バーニア制御によって粘着(グリップ)力の向上と円滑な起動を実現しています。
製造された8両のうち、1~3号機は主に大糸線で、4~8号機は長らく関西の阪和線で使用されました。4・5号機は東北の仙山線に投入され、短期間で阪和線に転用された経緯があります。
中央線では1~4号機が甲府以東で使用された実績がありますが、短期間に留まっています。代わりにED60と同形機で、下り勾配の走行に対応して回生ブレーキを備えたED61形電気機関車がよく使用されていました。後にED61は台車を増設して全機がED62となり、軸重を減らして飯田線などの貨物列車で使用されました。
国鉄末期の貨物列車の削減により、ED60は1985(昭和60)年に引退し、翌年までに全車両が廃車されました。このうち1号機は解体を免れ、現在の長野総合車両センターで保管されていました。今回、晴れて青梅鉄道公園に展示されることになりましたが、1号機は大糸線での活躍が長く、中央線では機関車の習熟やED61の補佐としての役割に留まっています。
ちなみに、ED62は一部がJR貨物に継承されて1996(平成8)年に引退、2002(平成14)年までに全機が廃車されています。
今回、新規に展示されることになった3両は、ファンの間から処遇が注目されていた車両ばかりでした。青梅鉄道公園で展示されることで、彼らは安住の地を得たことになります。
Writer: 柴田東吾(鉄道趣味ライター)
1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。





コメント