瞬きしている!?「パカパカ動くヘッドライト」なぜ消えた? 規制が生んだ苦肉の策 絶滅した理由と「最後の国産車」
昭和のスポーツカーを象徴する、パカッと開く格納式(リトラクタブル)のヘッドライト。今では新車で全く見かけなくなりました。なぜあれほど人気だった装備が姿を消してしまったのでしょうか。じつは意外な歴史がありました。
重くて壊れる…? 「技術の進化」と「安全基準」が引導を渡した
では、なぜ消えてしまったのでしょうか。
1つは、安全基準の変化です。
万一、クルマが歩行者とぶつかってしまった際、ボンネットの上に硬い突起物があると、歩行者に大けがをさせてしまうリスクが高まります。
そのため、2000年代以降、世界的に「歩行者頭部保護基準」などの安全ルールが厳しくなった結果、物理的に飛び出すライトを作ることは非常に難しくなりました。
そしてもう1つ、決定的なのが「技術の進化」です。
昔のライトは電球が大きく、奥行きも必要でした。しかし、現代のLEDライトは非常に小さく、薄く作ることができます。
わざわざライトを隠さなくても、最初から薄いライトを使えば、低いボンネットのデザインを実現できるようになったのです。
さらに、リトラクタブルにはデメリットもありました。
開閉用モーターなどの部品が増えるため、車両重量が数kgから10kg近くも増えてしまいます。軽さが命のスポーツカーにとっては手痛い弱点です。また、車両先端に重たいものがあるのも、運動性能やドライブフィーリングに良い影響を与えません。
加えて、複雑な機構ゆえに故障もつきものでした。片方だけ開かない「ウインク」状態になったり、寒冷地では凍りついて動かなくなったりといったトラブルも、オーナーの悩みの種でした。
隠す必要がなくなり、デメリットも多いとなれば、採用する理由はなくなります。こうして、リトラクタブルヘッドライトは歴史の表舞台から去っていきました。
国産車では、2002(平成14)年に生産を終了したマツダ「RX-7(FD3S型)」が最後の採用車種とされています。
法規制や技術のトレンドを考えると、復活の可能性は限りなくゼロに近いといわざるを得ません。
しかし、不自由な時代が生んだあのユニークなギミックは、今もなお色あせない魅力を放ち続けています。





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