サーブ社、防衛省へ何を売る? クルマはすでに別会社、現商材こそ「本業」

航空・軍需企業としてのサーブ、防衛省に何を売る?

 サーブ製航空機の、日本国内での導入事例としては、1950年代に旧防衛庁がサーブ「サフィール」を短距離離陸実験機として1機、調達しています。また日本エアコミューター(JAC)は、36席の小型旅客機サーブ340を9機保有し現在、就航中です。国土交通省はより大型のサーブ2000を2機保有しています。しかしながらサーブ340、サーブ2000とも生産は終了しました。

 現在サーブにて生産中の航空機としては、ベストセラー戦闘機「グリペン」の発展型「グリペンE」があります。「グリペンE」は、航空自衛隊のF-4EJ改や未改修型F-15Jよりもはるかに戦闘能力の高い機種ですが、機体自体が小さくより大型の機体が欲しい航空自衛隊機としては不向きであり、F-35Aが勝者となった前次期主力戦闘機選定においても候補機とはなりませんでした。

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サーブ「グリペンE」次世代戦闘機。従来型グリペンから大幅に搭載量が増加しており、システムも一新された。まもなく初飛行予定(写真出典:サーブ)

 サーブは航空機以外にも「C4I(指揮・統制・通信・コンピューター・情報)」すなわち艦艇、車両、早期警戒機、電子情報収集機、戦闘機、無人機などに搭載するソーナーやレーダーといった各種センサー、通信・情報処理システムも開発・生産しており、陸海空宇宙ならびに民間分野における様々な機器の販売を手掛けます。

 むしろ航空機自体よりも、将来の自衛隊に配備される兵器の「中身」、こういった各種「C4Iシステム」の開発に参画したいというのがサーブの狙いだといえます。

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コメント

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3件のコメント

  1. >一定の年齢層以上にはお馴染みのサーブ社ですが、

    その層でサーブに馴染みのある人は、元がヒコーキ屋(特に軍用機)である事を当たり前に知ってると思うのですがね。むしろその下の層には、「サーブってクルマもやってんの?」な人の方が多かったりしないか? サーブのクルマ今はさほどメジャーでないし、JAS39グリペンはゲームだかアニメだかでえらくメジャーになってる様だし。

    どの年代層を念頭にした記事のタイトル/書き出しなんだろ?

    • 世間一般では、多分サーブのクルマもヒコーキも知らない人が多数派かと思います。

  2. すみませーん、海上保安庁もサーブ機を4機(2機新造2機中古改造)もってるんですけど、記事の制作者は忘れたんですか?