「最前線」那覇基地の最新版F-15戦闘機、そこに示された覚悟とは

戦闘機の基本は変わらず SJも「使い方を工夫」

 航空自衛隊におけるスクランブルのおよそ半数を支える那覇基地第9航空団には、F-15SJとF-15MJ両機種が混在して配備されています。第304飛行隊の飛行班長、原田祐二3等空佐はF-15MJについて「具体的な性能などについては答えることができない」としたうえで、従来のF-15SJとの違いについて以下のように話します。

「最新の戦闘機は昔に比べると複雑になりましたが、航空機の性能がいくら変わっても基本的な部分は変わらないと心がけて訓練しています。ですから飛行機がアップグレードしてシステムが一新されたとしても、戦闘機の根本が違ってくるかというと、私はそうではないと考えております。パイロットとしての能力は重要であり続けると思いますので、そのために我々は日々訓練に精進しております」(第304飛行隊 原田3佐)

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訓練に発進するため対Gスーツを装着するF-15MJのパイロット。どんなに機体がアップグレードされても、彼ら無くして戦闘機は動かない(関 賢太郎撮影)。

 また、第9航空団司令の川波清明空将補は以下のように話します。

「F-15非近代化機とF-15近代化改修機について、任務上の違いは基本的にないでしょう。F-15非近代化機も使い方を工夫してやっていくことになると思います。いまは混在していますけれど、将来的にはF-15近代化機に統一されると思っています」(第9航空団司令 川波空将補)

 2016年11月現在、F-15MJは那覇の第9航空団のほか、千歳基地の第2航空団、小松基地の第6航空団に配備されていますが、いずれもF-15SJとの混在です。ひとつの飛行隊がおよそ20機前後であること、そして航空自衛隊におけるF-15MJの総数が約半数であることを考えると、川波司令の言葉どおり、もし近く第9航空団がF-15MJに統一された場合、当分は第9航空団が日本唯一のF-15MJだけで編成された最精鋭部隊になることを意味します。

 第9航空団がカバーする沖縄県とその周辺の南西地域は中国に対する「最前線」であり、最も高性能な戦闘機を集中配備するのも、中国に対する備えという面が大きいものと推測されます。

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