軽い・安い・強い! F-16が「世界一売れた戦闘機」になった必然 初飛行から50年 愛称にまつわる苦心まで

1974年に初飛行を果たしたF-16「ファイティング・ファルコン」は、約半世紀にわたり活躍を続ける傑作戦闘機です。当初は軽量戦闘機として開発されましたが、進化を続け、今なお世界の空で運用されています。

マルチロール機へ進化し、生産数爆増へ

 しかし、ボイドと“ファイター・マフィア”の面々は、高性能かつ高コストなF-15では数を揃えられないことも重々理解していました。当時、世界は冷戦状態にあり、アメリカのライバルである、ソ連が大量の戦闘機を保有していたため、質的な優位だけでなく数的にも対抗できるだけの戦闘機を保有する必要があったのです。

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飛行中のF-16試作機(画像:サンディエゴ航空宇宙博物館)。

 この思想は「ハイ・ローミックス」と称されて、“ハイ”にあたるF-15に対し、ローにあたる低コストな戦闘機の開発が要望されるようになりました。こうして、生まれたのがF-16です。

 当初、F-16は格闘戦能力に優れた軽量戦闘機として開発されましたが、低空・低速での運動性能が良好なことから、対地攻撃任務にも好適な機体と考えられます。その結果、F-15が制空戦闘機として運用され続ける一方で、早くから制空戦と対地攻撃を兼務できるマルチロール機として発展し、さまざまな装備が付加されるようになりました。

低コストでコンパクト、かつ多用途性に優れた機体。この点が、予算も潤沢でなく、取得機数も限られる中小国が求める戦闘機の要件にピッタリでした。こうして、ヨーロッパ諸国を皮切りに、世界中の中小国が導入するようになり、ベストセラーへと躍進したのです。

 2018年6月の時点でF-16の生産機数は4604機となっており、これはアメリカ製のジェット軍用機としてはF-4「ファントムII」の5195機に次ぐ第4位です。ただ、すでに機数の増えないF-4と比べ、F-16はまだ生産が続いているので、近い将来F-4を抜いて第3位となる可能性も否めないでしょう。

 ちなみに当初、F-16の愛称として考えられたのは「ファルコン(隼)」でした。しかしすでに、フランスのダッソー社製ビジネスジェット機に「ファルコン」という名称が付けられていたため、頭にファイティングという単語を付与して「ファイティング・ファルコン(戦う隼)」とされたのです。なお、アメリカ軍機で2つの単語から成る愛称を持つ機体は多くありません。

【垂直尾翼に注目!】最もホットな運用国かも… ウクライナ空軍のF-16(写真で見る)

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