「この争い、もうやめようか…」 静かな販売合戦を終わらせた「原付でアメリカン」の傑作とは? ライバルひれ伏し15年存続!?
1970年代から1980年にかけての原付はスクーターが一大ブームとなり、販売合戦となりました。この時代はスクーター以外も多様な原付が登場しましたが、なかでもメーカーどうしが地味な交戦状態にあったのが「原付アメリカン」モデルでした。
完璧すぎる原付アメリカン「ジャズ」登場
ホンダはここまでの経験から「次なる『原付アメリカン』は、他社に真似できない完璧なものを」「無駄な創意を入れず、純粋かつ正確に『アメリカン』をスケールダウンしたモデルを」と考えたのかもしれません。マメタン発売から9年が経った1986年、ついにホンダから原付アメリカンの真打、「ジャズ」が登場しました。
ジャズは長めのホイールベースや、長く傾斜したフロントフォークを持つ設計に加え、ティアドロップタンクや低いシートといったアメリカンに不可欠なアイテムを装備。メッキパーツもふんだんに採用していました。また、エンジンはホンダお得意のカブ系ユニットであり、雰囲気でも信頼性でもライバルを圧倒する完成度の原付アメリカンとなっていました。
ジャズの完成度の高さを前に、それまで原付アメリカンで個性を競っていた他のメーカーは、まさにお手上げ状態に。「もう戦いはやめよう」とばかりに、原付アメリカンの開発から次々に手を引いていきました。
こうして、ジャズは原付アメリカンの市場を独占していき、なんと2001年の生産終了まで15年間にもわたるロングセラーとなりました。この間、設計面でのアップデートはほぼなく、改良はカラーリングの追加や変更のみ。大掛かりなリニューアルをしなくても、15年間も通用する完成度だったのだと言えるでしょう。
ジャズは「原付アメリカン」を代表するモデルであるとともに、「ホンダが本気を出すと怖い」ということを、強く思い知らされる1台です。
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。





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