クルマ業界に「“独禁法”違反です」増加中! 業界の“言うに言えない”構造に目を光らせる公取委
公正取引委員会が、地方での懇談会における内容を公表しました。一見、関係が薄そうに思える自動車関連産業が、実は公取委が注目する業界のひとつになっているようです。
荷主と下請けの関係「公取委から積極的に動いてほしい」
共同配送で効率化が焦点となっている物流分野でも指摘がありました。香川県高松市の懇談会では、中小事業者等の取引適正化について、次のような意見が有識者から出ました。
「小規模運送事業者は独禁法違反被疑行為があったとしても荷主から取引を切られてしまうことを恐れて、公正取引委員会に相談することは難しい。委員会のほうから積極的に動いて、荷主に対する調査を行ってほしい」
また、山形県山形市の懇談会では、事業者でなくサプライチェーン全体での対応に踏み込む意見も出ました。
「サプライチェーンの中で頂点に位置するメーカー等が、末端に位置する企業までの適切な価格転嫁を管理する仕組みが必要である」
これに対して、岩成事務総長は次のような具体策を上げます。
「昨年までの独禁法でも、違反行為や困りごとの情報がなかなか上がってこないということがあり、いろいろな実態調査的な手法を使い集めていた。今年からは取引適正化法(旧下請法)の対象になっているが、同様に申告(情報提供)が見込めないということがある。書面調査という形で、質問票を広く発注側と受注側の両方に送ることによって情報収集をするなど、いろんなツールを使いながら事実関係を把握していく」
このほかにも特定分野に突出したメーカーも指摘を受けています。コンテナ用トレーラーなどの製造販売を行う大手「日本トレクス」と「東邦車輛」は、「わが国における特定トレーラの販売分野における競争を実質的に制限していた」と公取委に判断され、排除命令のほかに日本トレスクに対して33億2364万円の課徴金支払いが命じられています。
ペナルティとなる課徴金額は、期間や規模により億単位に及びます。それでも、「悪質な入札談合やカルテル事案に対しては、さらに重たいペナルティを科すことで抑止力を高めるべき」(前述高松市)という意見もありました。
岩成氏は今後の取り組みについて、「懇談会の意見を参考に、違反行為に厳正かつ効果的に対処するとともに、公正で自由な競争環境の整備に取り組む」と話しています。
Writer: 中島みなみ(記者)
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。





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