「ミニ新幹線」じゃ雪に弱い? 最強寒波を余裕で走り抜けたE8系の“舞台裏” 地元の願いは「フル規格」

「この冬で最強最長」と恐れられた寒波で鉄道のダイヤ乱れが目立ちました。そんな中で奮闘したのは、雪を含めて「運休・遅延も多く発生している」と地元自治体から不満が漏れる「ミニ新幹線」でした。

「新幹線のみ運転いたします」

 首都圏では寒波襲来がひとごとのような晴れ空でしたが、宇都宮の少し先になると田畑が白銀で覆われていました。降り続く雪にひるむこともなく最高速度300km/hで運転し、E3系を25km/h上回る高速走行を見せつけました。乗り心地は極めて快適で、横揺れを打ち消す方向の力を発生することで横揺れを低減する「フルアクティブサスペンション」を全車両に導入したE8系の賜物です。

 次の郡山駅(福島県郡山市)では3分停車し、東京発秋田行き「こまち」E6系と新青森行き「はやぶさ」E5系の併結列車が追い抜いてから発車。名産品の桃のイラストに雪がまぶされて「白桃」のような色合いになったガスタンクが見えてくると、福島駅に滑り込みました。

 到着前に車掌は車内放送で「山形線(奥羽本線)では庭坂―米沢間、村山から新庄、新庄―院内間の在来線は運転を全て取りやめます。新幹線のみ運転いたします」と案内しました。郡山から福島にかけては晴天で、雪も地面を軽く覆っている程度だったため、「そこまでの雪なのか」とあっけにとられました。

 そんな感想が吹き飛んだのは、10時半に到着した福島で「やまびこ」から分割されて出発した後のことでした。

よく走り続けている!

 福島駅を出発した「つばさ」のE8系は高架の東北新幹線から分岐して左へ進み、同駅の地上ホームから延びている奥羽本線に合流するアプローチ線に入りました。現在はこのアプローチ線だけが使われていますが、東北新幹線の高架下をまたぐ上りアプローチ線が建設中です。

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福島市にある桃のイラストが描かれたガスタンク(大塚圭一郎撮影)

 現在は東京へ向かう山形新幹線はアプローチ線を通った後に東北新幹線の下り線と平面交差してから福島駅に入線しているため、ダイヤ設定が制約されたり、輸送障害が起きた際のダイヤ回復に時間を要したりしています。上りアプローチ線が2026年度末に供用開始後は、東京への山形新幹線も東北新幹線と平面交差をせずに福島駅へ進入できるようになるため、輸送の安定性向上が期待されています。

 奥羽本線の沿線風景が一変したのは、福島の2駅先の庭坂(福島市)からの山越え区間に入ってからです。阿武隈山地を望む丘陵地は真っ白で、追い打ちを掛けるように灰色の空から大粒の雪が降り続けています。この先には福島と山形の県境付近には急勾配で、きついカーブもある難所の板谷峠が待ち受けています。

【これで“平常運転”かよ…!】E8系が定刻で走った“恐るべきドカ雪”(写真で見る)

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