初めから直通前提だった!? 「豪華な普通列車」が行き交う静岡の私鉄、その日常の姿は?

静岡県の伊豆半島東側の海沿いを走る私鉄が伊豆急行です。私鉄ながら東京に直通する前提で敷設され、斬新な車両をいくつも生み出してきました。この歴史を振り返ります。

開業当初から東京直通

 開業当時から、国鉄伊東線と伊豆急行線は直通運転を実施しています。最初の運行では、東京駅で国鉄総裁がテープカットをした祝賀列車が、3時間25分かけて伊豆急下田駅に到着しました。

 なお伊豆急行側は当初、小田急ロマンスカーのような展望車両を想定しましたが、国鉄乗り入れのため断念。代わりに投入したハワイアンブルーの100系電車は、当時の国鉄に合わせて1等車(現・グリーン車)を連結し、伊東線に乗り入れていました。

 1963(昭和38)年製造のサシ190形電車は、当時唯一の私鉄の食堂車として異彩を放ちました。スポンサーのサントリーが飲料や軽食を提供し、「スコールカー」の愛称で呼ばれていました。しかし、伊東線内は営業できなかったことが影響し、1969(昭和44)年に営業休止となっています。

 国鉄の準急「伊豆」は1964(昭和39)年、特急並みの接客設備を持つ157系に置き換わります。1969(昭和44)年、157系の列車は特急「あまぎ」に格上げされましたが、登場時は横浜~網代間ノンストップ(下りは横浜も通過)という大胆なダイヤでした。

 1981(昭和56)年には特急「あまぎ」と急行「伊豆」が統合されて、特急「踊り子」に。そして1985(昭和60)年、伊豆急行は時代を動かす画期的な電車をデビューさせます。展望席や窓向き座席を備えた豪華な内装にもかかわらず特別料金不要な普通列車用の2100系電車「リゾート21」です。

 2025年現在も伊豆急行の看板列車として走る2100系は「各駅停車のスーパーカー」と呼ばれ、車両の魅力で集客できることを証明しました。1988(昭和63)年からは特急「リゾート踊り子」として東京に乗り入れます。私鉄車両が特急列車として東京に乗り入れた初の事例と思われます。

 さらに、従来型の普通列車に連結していたグリーン車も、1987(昭和62)年から、客室搭乗員が乗務し、サロン風の「ロイヤルボックス」に進化しました。

 1990(平成2)年には、JR東日本が豪華かつ画期的な251系特急形電車による「スーパービュー踊り子」の運行を開始。そして伊豆急行も2100系に客室搭乗員のいる「ロイヤルボックス」を連結して、豪華さをアピールしました。

【車内も良し】これが伊豆急行の車両と景色です(写真)

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